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Unicharm

高原 豪久 様
ユニ・チャーム株式会社
代表取締役 社長執行役員

Best Japan Brands 2024
ブランドリーダーズインタビュー

これまでにない変容を続ける環境の中で、ランクインしたリーディングカンパニーは今後の成長のためにどのようにその変化を捉え、対応しようとしているのか。各社のブランドリーダーが5つの質問に答えるインタビューシリーズ。

この1-2年を振り返ってみて、御社の事業やブランドにとってどのような年でしたでしょうか。

厳しい事業環境ながら売上・利益ともに持続的な成長を果たしている。もっとも、成長を牽引する国・地域はアジアから他のエリアへとシフトしている。また、カテゴリー別には、高齢化が進むアジアにおいて日本と同様にペットケアやウェルネスケアが急拡大しており、さらなる成長の追い風となっている。 
このように中核となるカテゴリーは国・地域の人口動態等によって異なり、エリアごとに生活者が当社に抱くイメージも様々である。このような点を踏まえ、国・地域を超えてコーポレート・ブランドを強化すべき時期にあると感じている。

組織や事業全体として (担当部門として)、対応する領域や範囲はどのように変わってきているでしょうか。

当社は、赤ちゃんからお年寄り、さらにペットまで、全ての生活者をカバーする事業を展開し、それらを通じて「共生社会」の実現に貢献することを目指している。一例だが、自然保護の観点で使用済み紙パンツ(おむつ)をリサイクルする「RefF*(リーフ)」プロジェクトを推進している。このような影響もあり、採用面接等で当社のイメージを尋ねると、「リサイクルに熱心」や「再生パルプを活用」等の回答が増えている。やはり企業が果たすべき領域は以前より広がっており、当社は先見力を持って対応しているが、さらに積極的に推進したい。 

*Recycle for the Futureの略

想定を越える社会や人々の変化に対して、事業として、ブランドとしてどのように対応してきていらっしゃるでしょうか。

社会変化に対応し、新たな価値を創出するには、生活者自身が気づいていない“潜在的な欲求”を明らかにすることが大切である。当社では、生活者の情報を可視化することでインサイトを発見し、新たな体験価値を提供するべく、2023年にMDX(Marketing DX)本部を組成した。MDX本部には、専門人材を積極採用するなど、敢えて既存組織にハレーションを起こすように仕掛けている。すでに成果が生まれており、一例だが少子化という社会課題へのソリューションとして「ソフィ 妊活タイミングをチェックできるおりものシート」の開発・発売に成功している。

社員の働き方や意識は、どのように変わったと感じているか。ワークライフバランス、効率性やエンゲージメント、社内コミュニケーションといった社内カルチャー、社員の価値観などに、どのような影響があり、それにどのように対応してきていらっしゃるでしょうか。

「コロナ」により行動が制限されたため、それぞれ“自己観照”する時間が増えた。このため、周囲を尊重しつつ「自分の人生」や「自身の可能性」を大切にしたいという欲求が高まっている。いわゆる「自己実現欲求」が顕著になった訳だが、これに応えるには、なるべく少人数の組織とし、“主体的に”考え・行動するように促すことが大切である。しかしながら、自ら考え・行動できる社員を育成するには、相当な手間と時間がかかり、根気強く取り組む以外にないと思う。試行錯誤となっても、そのような経験を通じて新しい発想が生まれると信じている。

パーパスや経営の理念、ビジョンなどの重要性が論じられていますが、それらを事業活動の中で、どのような形で活かしていらっしゃるでしょうか(実体化に向けてどのような取り組みをされているでしょうか)。

当社は「SDGsの達成に貢献する」ことをパーパスに定め、これを着実に実行できるように、ミッション、ビジョン、バリューのそれぞれで具体的にしている。なお、「パーパス」とは「企業が社会的責任を果たすうえで見失ってはいけない“北極星”」に他ならず、ステークホルダーとしっかりベクトルを合わせることが重要と考えている。 
当社では、これまで「NOLA&DOLA」をコーポレート・ビジョンとしていたが、今年・2024年に新しいコーポレートブランドエッセンスとして「Love Your Possibilities」を打ち出した。この「Love Your Possibilities」を中核に、女性を起点としたブランディングを行うことによって、世界中で活動する約1万6千人のグループ社員のベクトルを統合し、生活者の「Life Time Value」を最大化していく。そして、どんな時も自らの可能性を慈しみ、利他の心で支えあうことのできる「共生社会の実現」に向けて取り組んでいきたい。