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ヒューマントゥルース、ブランドエコノミクス、ブランドエクスペリエンスを読み解く新モデル

人は生まれながらにして「つながる」ことを欲しています。その普遍的な真理をより深く理解することが、このアリーナ探求の出発点となるのは、当然のことです。

ハーバード大学は、80年以上にわたって人々を追跡調査した研究成果として、「良好な人間関係は長寿と幸福に役立つ」と結論付けました。この発見は、裏返して見ることも出来ます。社会的孤立は死の宣告に他ならないのです。では、数年にわたるパンデミックによって、親愛の情や身体的、感情的な絆が失われる恐れがある場合にはどうすべきでしょう。私たちはその状況と闘い、適応していくしかないのです。

この適応は、加速するイノベーションを活用して、私たちのソーシャルな交流に変化をもたらす新しい体験を促進することと同義といえます。私たちは、人とつながり続けるためにテクノロジーに頼らざるを得なくなり、その依存度が高まるにつれ、「つながりすぎる」ことを懸念するまでになりました。その混沌の中で、バランスを保つにはどうあるべきか。私たちは、不毛な摩擦やノイズに惑わされることなく、最も重要なつながり、つまり“ポジティブ・ヒューマン・エナジー”をもたらしてくれるつながりにフォーカスすることで、そのバランスを見つけることができるのかもしれません。

インターブランドのヒューマントゥルースチームは、テクノロジー活用の如何を問わず、消費者とブランドがつながりたいと願うニーズの根源を探りました。人々のソーシャルな交流へのニーズは、時代を超えた普遍的なものですが、ニーズを満たす方法は劇的に変化しています。

ポジティブ・ヒューマン・エナジー・スコアカード

これは、より適切なエクスペリエンスを構築するための、揺るぎない真実を示しています。コネクト・アリーナにおいて、ブランドは、ポジティブ・ヒューマン・エナジーを生み出す相互作用を理解し、活性化し、最適化することによって、成長を加速させることができるでしょう。
https://interbrand.com/thinking/positive-human-energy-a-new-model-for-human-connection/

コネクト・ケイパビリティ・モデル

あらゆるタイプのブランドや企業が、つながりの提供に努めています。
そこで私たちは、このアリーナにとって最も重要だと思われる4つのケイパビリティを特定しました。「コンテンツ」「インフラ」「インターフェイス」「デバイス」が、その答えです。

Sonyはデバイスのカテゴリーに留まることなく、コンテンツ制作では、サブブランドであるSony PicturesやPlaystationと相互にしのぎを削っています。

インフラ系ブランドのイメージが強いciscoですが、同社のデバイスは世界中の役員室で使われ、同社が提供するWebexプラットフォームはビデオ会議市場の主要プレーヤーでもあります。

Disneyは、デジタルストリーミングアプリやテーマパーク同様に、多様なインターフェースで共有できるコンテンツ制作に注力しています。

Metaの投資対象は、デバイスやインターフェイスを表現するブランド群だけではありません。海底ケーブルなどのネットワークインフラにも数十億ドルを投じ、目立たない存在ながら、強力なケイパビリティを発揮しています。

コネクト・ブランド・エクスペリエンス・モデル

右記の図は、ブランドが提供するソーシャルインタラクションのポートフォリオを評価し、最適化するために使用できる8つの要因を示したモデルです。

このモデルによって、ブランドリーダーは、現在の体験のペインポイント、新しい体験の成長領域、さらには競合からの脅威を特定することができます。一見すると、誰もが新しいチャネルとディメンションの解決に注力し、複雑で入り組んだハイブリッド空間に収束しているように見えますが、他の要因で動くことも少なくありません。

HPやPhilipsがインクカートリッジや歯ブラシのヘッドを交換する体験にソーシャルインタラクションを追加したらどうなるでしょう?私たちは最初、個人間送金アプリのVenmoが、銀行取引にソーシャル性を加えるというアイデアに抵抗がありましたが、その後突然、お互いを知らないと思っていた2人の友人がピザをシェアしているのを見て楽しくなりました。もし、Philipsが私たちを歯磨きで結びつけられるなら、照明やMRIで何ができるかを想像してみてください。Netflixが「一緒に見る」を「一緒に創る」に変えたらどうでしょう?もし、キッチン家電を通じたソーシャルな交流が番組に織り込まれたら、私たちはその体験の一部になるためにSmegやSamsungを選ぶようになるのでしょうか?

重要なのは、私たちが持っているつながりに他なりません。そこで、ポジティブ・ヒューマン・エナジーを生み出す方法を見つけたブランドこそが、私たちが目指す長く幸せな人生を共に歩んでいく存在になるのです。

Translated and edited from “Connect Arena: New models for human truths, brand economics and experience ”: https://interbrand.com/thinking/new-models-for-human-truths-experience-and-brand-economics/