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プレイアトレ土浦

サイクリングを軸に茨城県、土浦市、地域事業者と連携し、様々なイベントを通して「自転車の街 土浦」をブランディング。茨城の強みである「アクティビティ」「食」「自然」などを組み合わせて新しい価値やビジネスモデルを構築した活動

課題背景

バブル崩壊以降、郊外大型モールの出店激化、モータリゼーション進展の煽りを受け、土浦駅周辺の空洞化が進捗。更に、テナント撤退、売上減少の加速により既存の「周辺住民・駅利用者をターゲットとした物販主体の駅ビル」というビジネスモデルが完全に行き詰っていた。一方、地域の観光資産でもある日本最長のサイクリングロード「つくば霞ヶ浦りんりんロード」が存在。その結節点であり東京から常磐線で最短49分の土浦において全く新しいコンセプトの「コト消費型駅ビル」を立ち上げた。

組織体制

2016年に立ち上がった、コト消費型駅ビル像を模索する社内プロジェクトが中心となり、2020年3月にプレイアトレ土浦をグランドオープン。核施設となる日本最大級のサイクリング拠点「りんりんスクエア土浦」は、茨城県が設置し、プレイアトレ土浦が管理運営を受託。また、サイクリングホテルには星野リゾートを誘致し、その他、茨城県の名産品を扱うショップなどを併設する。現在はアトレ土浦店が運営を担当。茨城県、土浦市、JR東日本、地域社会とも連携した活動を推進している。

戦略・実行

駅ビルの再生には、街の再生が必要という信念のもと、「コト発信」「体験の提供」をテーマにした新ブランド「プレイアトレ」を創設。「地域価値創造」「地域再生」というビジョンの下、「PEDALING RESORT~東京から49分。すぐそこにある180kmのサイクリング旅~」をコンセプトに掲げる。サイクルショップやレンタサイクル、シャワー、ロッカー、宿泊機能などを備え、サイクリストにフォーカスしたワンストップサービスを提供すると共に、多種多様なサイクリングライフを提案している。
一方、茨城県からの補助を受け、様々なイベントを開催するなど、「自転車の街 土浦」のブランディングに寄与するとともに、自治体、地元事業者、大学及び館内ショップ・ホテルと連携し、アトレ土浦店の目指すべき運営スタイル「ハブ&スポーク運営」を体現。多くの来街者及びお客様を獲得し、今後に繋がる大きな成果を残した。

活動の成果

サイクリストの聖地「しまなみ街道」(年間利用者数:30万人)をベンチマークに設定し、「東のサイクリストの聖地」になることを目標に設定。開業時年間利用者数:5万8000人であった「つくば霞ヶ浦りんりんロード」は、直近では10万5000人(1.9倍)の 集客増を達成、国土交通省により国内3箇所の「ナショナルサイクリングロード」に認定されるに至った。 また、茨城県より観光誘客事業を受託し、サイクリングとアウトドを軸としたイベントを企画し、合計約20万人の集客を実現。県内の約50の事業者と連携を図るなど、地域の活性化に寄与している。

ご担当者様コメント

プレイアトレ土浦は、日本最大級のサイクリング拠点として、官民一体となった地方創生の新しい試みである。茨城県内のサイクルツーリズムを盛り上げ、街のブランディングを推進していきたい。
駅ビルだけではビジョンは実現しない。地域とのつながりを大切に活動し、様々なステークホルダーにもご協力をいただきながら、今後も地域全体の活性化に繋がるような活動を継続していきたい。

評価コメント

バブル経済の崩壊以降、大型モールの出店激化、モータリゼーション進展の煽りを受ける郊外の駅周辺の空洞化という社会的課題に対する解決策として、従来の「物販主体の駅ビル」から脱却し、体験を軸とした「コト消費型駅ビル」を指向した本活動は、地域活性化の点においても注目に値するブランディングと言えます。
地域の観光資産に着目し、サイクリストにフォーカスした事業モデルの構築とブランディングは、地域・行政と一体となったエリアの魅力づけを核に、従来型の「駅ビル」 の枠を超えた観光・交流の拠点として、地域の活性化と成長に寄与し、駅と街に賑わいを創出することに成功しています。
ビジョン・コンセプトの旗のもと、テナントや行政、地域社会など様々なステークホルダーからの共感を得ることに成功し、利用者や地域社会と共創するブランディングとして、また持続可能かつ地域貢献的な視点においても、今後の成長が期待される活動として評価しました。