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TBS – Japan Branding Award

従来のテレビ局のビジネスモデルの在り方や業界の慣習などを見直し、ブランディングを通じて映像に留まらない体験を提供する総合メディア企業を目指して、経営層と社員が一体となり社内の意識変革からスタートした活動

課題背景

これまで規制業種として守られてきた側面を持つテレビ局においても、既に地上波だけではない多面的なデジタルシフトを必要とするビジネス展開が求められていた。そのために、新たな提供価値を包含するブランドイメージ強化が必須であると考えたが、 TBSには他の民放各局と比較して一貫したイメージや、強い印象がないことが調査により明確になっていた。そこでこれまでのテレビ局の枠から脱却した新たに目指すべき姿を明らかにし、強いブランドイメージを構築する為の基盤づくりから始めることで、将来的な、企業価値と社内モチベーションの向上を目指す取り組みが行われた。

組織体制

社長 直轄のブランディング担当部門として、グループ全体のブランディングを管轄する総合プロモーションセンターがホールディングス内に設置された。運営は、編成・営業・制作・情報制作・投資戦略部・CSR・広報・社長室など、関連部門が参加する組織横断型のブランドコミュニケーション戦略会議を定期的に開催し、部署担当役員のもとで30代中盤の若手を中心にスピーディーに動けるよう最小限の人数で活動している。

戦略・実行

企業理念及び、ブランドプロミスの策定には、経営層と委員会、そして社員が一丸となり、活発に議論を行い、それぞれの立場から納得できる内容を目指し検討を行った。それらを体現するコーポレートロゴも、同様に社員の意見を反映した形で刷新した。そして、各社グループロゴ、主要サービスにおいても一貫性を担保することを目的に整理し、統一を行った。言語面、視覚面などクリエイティブを開発していく上で、社員の多くが クリエイターであり、それぞれの好き嫌いやこだわりが強い特性からか、それぞれの意見を集約し最終的に一つの案にまとめるのは非常に大変であった。また、テレビだけではなく、ラジオやBS、制作会社など、グループ全体のミッション・ビジョン・バリューといったブランディングの様々なアウトプットの制定も難易度が高かった。それらの課題を乗り越えるため、社内イントラサイトを中心に適切なタイミングでの情報共有や、アンケートの活用などインタラクティブにコミュニケーションを行うことを意識し、地道に活動行いながら、巻き込むことに取り組んだ

活動の成果

「最高の“時”で、明日の世界をつくる」というブランドプロミスを策定し、旗印として打ち出すことで、コロナ禍においてどこよりも早く積極的に過去の優良コンテンツ等を提供し、本年上期(4-9月)全日帯(6-24時)の13-59歳男女視聴率において、前年同期比137%を達成した(ビデオリサーチ調べ・関東地区) また、各関連会社の目標設定や、番組の編成方針にも今回定めた理念とブランドプロミスが自発的に盛り込まれ、新事業につながる顧客体験をつくる部署が立ち上がるなど、社員の意識変化を起こすことに成功し、新たな事業創出から赤坂の街再開発など従来のテレビ局にはない、新たな発想による取り組みが始まるなどの好影響を与えている。

ご担当者様コメント

今回応募資料をまとめる中で、改めて活動を体系的に振り返ることが出来ました。現在のブランドコミュニケーション戦略会議においても、結成当時と同じマインドでメンバーが能動的に取り組み議論出来ていると感じています。今後さらに社内を巻き込み、会社全体が一枚岩になれる状態を目標にしたいと考えています。まだ本格的な活動開始から日が浅いため、継続していくことで、これから成果が出てくるも取り組みがあるので、今後も変わることなくブランディングを継続していきたいと思います。

評価コメント

企業理念やブランドプロミス、コーポレートロゴなどを、社員を巻き込み策定しただけでなく、それらを実際の日々の活動である番組編成や制作、さらには放送領域を超えた新しい体験創出や、ライブエンタテインメントを体現する街の再開発に至るまで、社員の意識変革により、従来の固定概念に捉われずに新しい挑戦に繋がっていることを特に評価しました。
また、新しい部門の設立や、ホールディングスのスローガン、グループ会社の統廃合、人事評価の視点としてブランドプロミスを連動させる活動など、事業活動だけではない、企業における組織、人事の判断にも今回のブランディング活動が根づき始めていることも、高く評価しました。