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Bioré

コロナ禍を経た社会の潮流/生活者の変化を捉え、将来にわたり取り組むべき社会課題は何か、Bioréのあるべき姿をアップデートし、新たなパーパスを製品事業にアジャイルに取り入れ、事業成長に繋げた活動 

課題・背景

Bioréは1980年誕生以来、66の国と地域で展開し、日本国内の「肌」関連の主要なカテゴリーでNo.1ブランド(※1)の地位を築いている。2020年からのコロナ禍でハンドソープ等の需要拡大により従来のブランドイメージが変化していることをきっかけに、Bioréが取り組むべき社会課題は何か、あるべき姿は何か検討が始まった。

※1: インテージ SRI+ 2023年10月~24年9月 シリーズ別販売金額洗顔料(セルフ)、メイク落とし(セルフ)、全身洗浄料、日焼け止め、制汗防臭剤市場

戦略

Bioréは、生活者の快適な生活を実現するため、常に新しいスキンケア習慣を提案してきた。その根底にあるのは、「本来の肌」に着目する技術思想とイノベーション精神。現代社会において、人々は「環境汚染」「赤外線・紫外線」「暑さ/寒さ」「湿気/乾燥」「洗浄による摩擦」など、肌に影響を与えるストレスに囲まれているが、これらのストレスは、紫外線による日焼けや熱中症への不安から外出を控えさせるなど、人と社会のつながりを阻害する要因となっている。Bioréは肌を、人の内と外・人と社会をつなぐ 「ヒューマンインターフェイス」と定義。肌を通して、誰もが環境ストレスを気にせず、人間らしく生きる実感と喜びを得られる社会を目指し、常に変化する環境ストレスを理解し、課題テーマやアクションを柔軟に更新している。

実践

Bioréは「実感」「感動」を重視したユニークな製品開発でブランド体験を構築している。例えば、2023年発売の「瞬感ミストUV」は、外出先での塗り直しを快適な「しゅっ!ぴたっ!」体験に変え、アフターコロナの活動的な生活をサポートする。 さらに、ブランドパーパスに基づき、長年にわたり小学校等で泡ハンドソープとオリジナル手洗い歌を活用した手洗い教室を実施、延べ112万人の児童に正しい手洗いを啓発してきた。また、2021年からは「SUN & SMILES ACTION」を開始し、保育園での日焼け止め啓発や屋外スポーツイベント支援を通じて、太陽の下での活動的な生活を推進している。これら活動は、生活者のライフバリューとブランドパーパスがつながり、ユーザーや関係者の喜びになることを意識している。

成果

Bioréはブランドイメージ調査で「信頼できる」「安心して使える」で競合1位を獲得。ブランド姿勢への理解も高く、好調なブランドイメージを維持している(2023年10月調べ)。2023年発売の「瞬感ミストUV」は、アフターコロナのアクティブライフを捉え、日経優秀製品・サービス賞2023年最優秀製品賞など数々の賞を受賞。外出先での日焼け止め塗り直し実施率の上昇やSNSエンゲージメント量の増加からも、生活者からの高い支持が伺える。流通においても共創企業との連携を強化し、販売を促進。「瞬感ミストUV」は社内でも高く評価され社長賞を受賞。社員による体験イベント運営もブランド愛着向上に貢献した。結果として、Bioréブランドは3年連続売上伸長、日焼け止めカテゴリーでは市場を大きく上回る成長を達成している。

評価コメント

コロナ禍を経た社会の潮流/生活者の変化を捉え、将来にわたり取り組むべき社会課題は何か、Bioréのあるべき姿を見直し、新たなパーパスを製品事業にアジャイルに取り入れ事業成長に繋げた取り組みである。具体的には、革新的な製品開発を通じて新たな生活習慣を提案し、既存市場の変革に挑戦。社内では健全な競争意識を持ちつつ、「いいものを作る」という精神を堅持しながらも、社員自身が顧客との対話を楽しみ 、Bioréに愛着を持って取り組んでいる。今後の展望として、Bioréは「肌」を取り巻く環境ストレスのグローバルな社会課題に挑むというアンビションがあり、変化する社会ニーズに応え続けることで、持続的な成長を目指している。