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IPPUDO – Japan Branding Awards

リアルな日本の食文化をグローバルで広める意思を込め開発したコンセプト「JAPANESE WONDER TO THE WORLD」のもと、外部コラボレーションも積極的に行い、グローバルに展開した社内外の浸透活動

課題背景

2015年に30周年の節目で、改めて「一風堂」の認知を世に広めると同時に「一風堂=創業者」の定着したイメージから、新たなブランドイメージの確立と、事業の海外展開に合わせたグローバル化を目的にブランディングを開始した。

組織体制

社内のCI本部〈現マーケティング室〉メンバーに加えて外部パートナーと協働し、全体のブランディングを推進した。

戦略・実行

ブランドコンセプト“JAPANESE WONDER TO THE WORLD”は、リアルな日本の食、味や店舗デザインへの細かいこだわり、人を楽しませようとする細かい気配りやおもてなし等、日本の文化を世界に広めていく意志を表現。
グローバルに認識できるよう欧文「IPPUDO」のロゴを策定し、お客様にも社員もワクワクする企画を次々に打ち出し、SNSを活用し“広報される”仕組み作りに取り組んでいる。海外では日本のラーメン店の代表格であるという認知獲得を目指し、ホームページのデザインを一新。ロゴとコンセプトバナーを常時トップページに表示。ロンドンの一風堂を舞台に、海外でもラーメンが浸透しているイメージ動画を作成・展開し、ブランドのコンセプトを訴求している。

活動の成果

30周年イベントは、SNSを中心に拡散し、広告換算値3億7000万円の露出効果を生みだしている。’JAPANESE WONDER TO THE WORLD’という言葉が社内外で浸透し、社内ではこれまでにないチャレンジングな企画が生まれやすい風土となり、ハーフサイズのラーメン、日本酒立ち呑み等の新業態開発、「とんこつ豆腐」という新たな名物メニューも誕生した。
さらに、他の企業からのコラボ企画も増えた一風堂のユニークな取り組みが世に広まり、柔軟かつオープンなマインドを持つブランドという認知が世に広がっている。

ご担当者様コメント

ブランディングによる成果がすべてとは言えないが、企業としても2015年を機にさらに成長を遂げ、現在では13カ国・地域に展開。また、運営会社の株式会社 力の源ホールディングスは2017年にマザーズ上場、2018年には東証一部上場を成し遂げた。グローバル人材の採用活動なども活発となり、採用強化にも繋がっている。
「変わらないために、変わり続ける」をモットーに顧客のベネフィットを第一に、変えることを恐れないことが重要だと考える。
実際、国内では定量調査を行い、どの競合と比較されているのかなども調査。また一部の店舗でテスト販売を行い、結果を見て全国展開に切り替えるなど、思いつきだけで変えてはいけない。
ツイッターなどSNSを活用し、何が喜ばれ、何が不満になり、時にはこちらからレスポンスするなど、顧客との密なコミュニケーションを図れるかが重要。ブランドというと壮大なイメージがあるが、結局は人、人財なのだと思うとともに、社員の誠実さが一風堂らしさだと考えている。

評価コメント

戦略&体験基盤の構築において、ブランドの定義・コンセプトに「日本の文化を世界に広めていく=JAPANESE WONDER」という強い意志が込められている点を評価しました。また、ファッションブランド・映画・化粧品など他業界とのコラボレーションを積極的に活用し、独自の存在感を構築している点についても注目。体験提供において、海外展開を行う中で変えていくこと、変えないことの見極めを行い、各国の食文化に受け入られるメニュー、店舗づくりを行っている点についても高く評価しました。
今後も2020年の東京オリンピックに向けた海外渡航客の増加、食のグローバル化が進む中で、日本の食文化を世界に広めるという強い気概をもとに、引き続き先駆的な新しい取り組みを期待します。