We give our clients the confidence to make Iconic Moves

matsukiyo – Japan Branding Awards

時代が求める商品ブランドへ進化するために「マツキヨらしさ」を明らかにし、社員に伝える仕組みづくりを構築することで、企業と商品のブランド価値向上を実現した社内外の浸透活動

課題背景

企業ブランドの“マツモトキヨシ”の認知率が9割を超えていた一方で、 2005年発売のプライベートブランド(以下PB)である “MKカスタマー’’の認知はわずか7%であった。今の時代にあったマツモトキヨシらしいPBとして、認知度や好感度を上げることで、コーポレートブランドやストアブランドのブランド価値向上の役割を担うブランドとなるため取り組みをスタートした。

組織体制

活動推進にあたり、常務をプロジェクトリーダーとしてチーム編成を行い、ブランド戦略の構築から開始。活動が進む過程において、商品開発課を設置し、開発体制の強化を行っている。また月例の商品開発会議に営業部門も参画するなど、より多面的にブランド体験構築に向けた討議が行われ、ブランドの実態づくりにつながっている。

戦略・実行

「マツキヨらしさ」とは何かを定義する議論から始め、議論のプロセスにおいて、各種調査、社内ディスカッションを行い、創業家の想い・DNAの確認、さらに従業員へのヒアリングも行いブランディングを推進。新ブランドを『matsukiyo』に改め、「日本の暮らしを、 楽しくする。」というブランドのビジョンのもと、コンセプトを「毎日の暮らしをより美しく、健やかに、楽しく彩るアイデアを利かせたブランド」と定義した。ブランドの定義を基にした表現指針を商品シリーズ全体のブランドガイドラインで規定し、一貫性を持ったコミュニケーション基盤構築にも注力した。商品は医薬品から食品まで多岐にわたり、 統一感だけでなくバラエティ感も必要であると考え、 全商品にロゴ以外にマツキヨのPBとわかるようデザイン等にも配慮。そして、店内でのブランド体験においてもマツキヨらしさである「楽しさ」「驚き」「革新性」を表現することで独自性を有するブランドメージ構築につなげた。社内浸透活動では、ブランドセミナーを店長会議、新入社員研修、担当者研修にも取り入れるなど、横展開を行い、社員の日々の活動の中に取り入れるべく継続的な浸透を実行している。

活動の成果

上記の結果、認知度は立ち上げ2年で16%に上昇、全売り上げに占めるPB構成比が上昇し全体の利益貢献にもつながっている。また、トイレットペーパーデザインでペントアワード(プラチナ賞)、 D&AD賞(イエローペンシル賞)、クリオ賞(銀賞)等の世界的な賞を多数受賞したことで、ブランドの認知や理解を広めることに寄与した。社内においても、従業員から新PB「matsukiyo」に対する多くの好意的な評価や支持も高まる等のインパクトを生み出している。

ご担当者様コメント

ブランディングは、社内の様々なステークホルダーに対してその活動の必要性を理解して貰い、一緒にブランドをつくりあげていく機運づくりが重要であると考えている。そのためには、担当者の強い想いが必要であり、根気強く情熱を持って取り組んでいくと同時に、マネジメント層の強いリーダーシップも成功の鍵を握ると考えている。

評価コメント

戦略&体験基盤の構築において、創業家の想い・DNAを丁寧に紐解き、継承すべきブランド資産とした点に注目すると同時に、企業ブランド「マツモトキヨシ」と製品ブランド「matsukiyo」の支援と貢献の関係の整理を行い、その役割を社員が納得できる様に時間をかけ説明された点を特に評価しました。また、体験提供において「店頭」での体験を重視し、製品だけではなく店舗空間などを最大限活用し、マツキヨらしさである「楽しさ」「驚き」「革新性」を有する、差別優位性を有する独自のブランドイメージ形成に貢献していると考えます。また、社内浸透活動において、粘り強く浸透を継続している点も高く評価します。今後、移り気なターゲットを継続してどう惹きつけていくか、マツキヨらしい進化を期待します。