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Yamaha Motor – Japan Branding Awards

ブランド価値向上の視点から企業・事業活動を推進するために、その取り組み成果を測定・定量化することで見える化し、各活動に落とし込むことを全社で取り組んだグローバルの社内浸透活動

課題背景

2012年にスタートしたGlobal Executive Committee(GEC)にて「ブランド」を主要テーマの一つと位置付け、 2013年にブランドスローガン「Revs your Heart」を立ち上げた。その理念が正しく顧客に伝わりブランド価値が向上しているかを測定・定量化し、 事業活動にフィードバックすべきとの認識に立ち、 まずは世界の主要地域の戦略顧客におけるブランドイメージの調査を開始した。

組織体制

当初は経営企画部経営戦略グループの業務の一部としてスタートしたが、本格的に取り組むためにはブランドに特化した部隊が必要だった。また、「ブランドは経営である」との認識から、経営企画部内にブランド推進グループを設置した。
経営に対してブランド視点での提言を行うため、経営会議の諮問機関として、本社の主要事業や機能の責任者と主要海外拠点の長を委員とする「ブランド委員会」を設置。ブランド推進グループはブランド委員会の事務局として、月に1回の委員会を運営し、コーポレートブランディングを推進している。

戦略・実行

ブランドは経営であるとの認識から、トップの高いコミットメントのもと、グローバルを巻き込みながら「スローガン」(Revs Your Heart)と「ヤマハらしさ」( “Innovation(発)”、 “Excitement(悦)”、 “Confidence(信)”、 “Emotion(魅)”、 “Ties(結)”)の定義を策定。その後、継続的にブランド価値向上を図るために、経営会議の諮問機関として「ブランド委員会」を設立するとともに、グローバル共通のブランド評価指標を導入し、全ての事業の中期計画へブランド視点でのアクションの織り込みを進めている。
また、運用面では、「個性ある多様性」を軸とし、各事業や各拠点の個性や自主性を尊重しつつ、且つブランドとしての方向性を合わせるような’Autonomous Governance’と呼ぶ独自のガバナンス体制を構築し運用を始めている。そして、本社社員、海外拠点社員を対象としたワークショップ研修、 Global Brand Siteの開設やBrand Day(Yamaha Day)開催などを行っている。
またヤマハ株式会社(楽器)とも、ヤマハ合同ブランド戦略委員会を共催し「共にブランド価値を高める」両社合同の取り組みを検討・実施している。

活動の成果

2015年から2018年の3年間で、 ブランド価値金額は、 36%伸長するなど成果を上げている。次期中期計画に「ブランド」のフォーマットを織り込み、 各部門がブランドの視点で中期プランを検討中。また、 ヤマハ株式会社(楽器)とは「ひとつのYAMAHA」として「いかにして協働でブランド価値を高められるか」という議論をおこない、 互いの長期ビジョンでキーワードを共有する方向での検討が進んでいる。

ご担当者様コメント

結果はまだ表れていないが、取り組んでいる一つひとつのアクションは間違っていないと信じている。ここ3年間の活動を通じて、この抽象的な「ヤマハらしさ」をベースとして各事業がそれぞれのより具体的な「ヤマハらしさ」を定義し、それを実現して感動を創造すべく活動する、“Autonomous Governance”が構築できつつある。今後もブランディング推進組織は、それを加速させるべく、活動を継続していく。
また、楽器とブランドを共有していることが、従来は当社にとって“制限”となる場面が見られたが、これからは「2社が同じブランドを共有すること」を「強み」とする戦略を展開していく。

評価コメント

「ブランドは経営である」という企業の強い意志が感じられ、活動自体もグローバルでの全社活動に拡がっている点を高く評価しました。全社戦略&体験基盤の構築において、 グローバルで次年度のブランディング活動戦略策定に共通の指標を設けトラッキングしていく活動を継続している点に注目。体験の提供において、 グローバルでの社内浸透活動を本社主導でありつつも、 各エリア拠点の自主性を尊重しながら巻き込みを行う取り組みは、 今後の日本発のグローバル企業の浸透活動を考えるにあたり、 好事例として学ぶことが多いと考え評価しました。