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kikkoman – Japan Branding Award

キッコーマン・グループの行く先50年の躍進を見据え、グローバル企業として、新たなコーポレートブランドの確立を目指し、キッコーマンの約束、コーポレートマーク、コーポレートスローガン、主要な商品群ブランドの約束・スローガンを策定し、コミュニケーション活動と事業での約束の実現を通して、新しいキッコーマン像を社内外に浸透する活動

課題背景

飛躍的に拡大する海外事業、豆乳事業の伸長などによる事業構造の変化や、将来の国内外での事業の強化・拡大のために、グローバルでグループ全体の傘となるコーポレートブランドが必要と考え、ブランド体系の再構築を行った。企業の考えや理念を明文化し社員さらには顧客と共有することの大切さを強く意識し、活動は、事業に取り組んでゆく姿勢や、顧客に向けて提供していく価値を「キッコーマンの約束」として策定することから始めた。

組織体制

ブランド体系の策定は、経営企画室のスタッフが事務局を務める全社横断のプロジェクトで進めた。まず若手による討議で土台を作り、部長クラス、役員クラスが参画し合意形成を行った。策定後の浸透は、経営企画室が担当し、組織活性ビジョン研修等をグループ企業横断で継続して実施している。

戦略・実行

ブランドを築き上げていくために、まずは社員一人ひとりのこころの中に共有すべき、源となる明確な想いを「キッコーマンの約束」として策定した。新ブランド体系の根幹をなすもので、その後コーポレートマークのデザイン開発やスローガンを規定する際の指針となった。「約束」は全社横断のプロジェクトで若手、部長クラス、役員クラスが参画してつくり、デザインはグローバル性を重視して開発し海外のグループ企業にもヒアリング調査を実施、経営会議においては繰り返して討議を重ねるなど、新ブランド体系についてじっくりと合意形成を行ったことは、約束やスローガンに関して導入初期の段階から社内で高い共感を得ることにつながった。また各商品群ブランドの「約束」もあわせて明文化したことで、例えば、商品の開発者が迷ったときに「帰るべき原点」が明確になり、商品・マーケティング施策にも「約束」にこめた想いが反映されている。コーポレートスローガン「おいしい記憶をつくりたい。」への想いを社内外に伝えるコミュニケーション活動も継続して行っており、エッセーコンテスト、新聞・雑誌での広告展開のほか、近年は動画を用いた企業メッセージの発信や、SNSで国内外への情報発信を積極的に行い、顧客とのつながりを深め、共感を得て、ブランドの支持につなげている。
また、所属長がキッコーマンの約束をふまえて、自組織はどうあるべきか、挑戦や人材育成に重きをおいてビジョンを描き共有するための組織活性ビジョン研修を、グループ企業横断で継続して実施し社内への浸透を図っている。

活動の成果

「約束」の策定後、各カテゴリーで柱となる商品が生み出された。代表的な商品「キッコーマンいつでも新鮮シリーズ」は、2010年(やわらか密封ボトルは2011年)に発売後、市場で支持を得て、売り上げは2016年に100億を超え、その後も毎年成長を継続している。新たに商品群ブランドに加えたキッコーマン豆乳についても、約束とスローガンを策定、実践しており、ブランドと新たな顧客の接点が確実に広がっている。「おいしい記憶をつくりたい。」への想いを伝えるコミュニケーション活動も継続して実施し、顧客からの共感と支持が広がっている。

ご担当者様コメント

「キッコーマンの約束」には9割以上の社員が共感し、日々の業務を遂行するうえで拠り所となっていると思います。例えば、事業や商品の開発を行う時に、顧客の視点を忘れず、どのように役に立つことができるかを考えています。「約束」を意識することで、間接部門も含めて、自らの活動と顧客や社会とのつながりを実感し、やりがいにつながります。今後も、ひとりひとりが誠実にていねいに創意工夫を重ね、日々の仕事において新たな挑戦を続けることが大切と考えています。

評価コメント

2008年に「キッコーマンの約束」「コーポレートマーク」「コーポレートスローガン」で構成されるコーポレートブランド体系を導入以来、10年以上継続的に粘り強くブランディングを実行されてきたこと自体が、単発的・期間限定の取り組みが散見される日本企業においては特筆に値すると考えます。企業だけでなく各商品群レベルの「約束」も策定し、事業をすすめるうえで拠り所になっている点や、組織活性化ビジョン研修やエッセーコンテストなど社内浸透活動における継続的な取り組みも評価できると考えました。