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LIFULL

2017年に社名を「LIFULL」へ変更したことを契機に、住まいを中心とした事業展開から、LIFEを中心としたさまざまな事業を通じて社会課題を解決し、暮らしや生き方に価値を提供する企業グループへの進化を目指した活動

課題背景

「LIFULL」をマスターブランドとして、各事業との支援貢献関係を構築することを中期戦略の骨子に据え、2017年より社内外にコミュニケーションを進めていたが、2018年時点でLIFULLという企業認知の向上が進まず、また、どのような価値を社会に提供できる企業なのか、そのイメージや企業姿勢への理解も深まっていなかった。そうした状況から脱するために、あらゆるステークホルダーへの社会的な価値の提供につながるようなブランディングが不可欠であった。

組織体制

本活動に継続的に取り組み、掲げたビジョンをカタチにしていくことを目的として、経営視点で活動を推進する執行責任者であるChief Creative Officerとその執行部門となるクリエイティブ本部を設置。クリエイティブ本部内にはブランド戦略からコミュニケーションの設計・実行を行うチームをはじめ、社会課題の発見・アジェンダ化・事業アイデア創出の仕組み化チーム、ブランドデザイン・サービスデザイン・テレビCMやコンテンツなどの企画開発を行うコミュニケーションデザインチーム、さらには、本部全体の戦略戦術を管理・推進チームを配置。これらをCCOが全体統括を行いながら、全社横断型の体制で活動を推進している。

戦略・実行

プロモーション的な取り組みとは一線を画し、ブランディングを経営の中心に据え、LIFULLブランドらしさを起点とした研究開発、事業開発、IRや採用活動等、多面的な活動を展開している。ブランドの新しいステートメントは、社是や経営理念、新たな中期経営計画(LIFULL VISION 2025)との連動性を高めるために、社内の様々な部署や経営陣との議論を重ねて策定した。当初は、「ブランドって何?」という状況からのスタートであったが、「LIFULL Quality Standards」や「LIFULL VISION 2025」にブランドパーパスの要素を織り込み、LIFULLの実現したい未来に向けて、全社員一人ひとりが社会課題を自分なりに見つめ、課題解決に向けたアイデアをテクノロジーと掛け合わせて発想する社内フォーラムの実施等、自分ごと化を促進する取り組みも継続的に実施している。
社外に対しては、2018年より「しなきゃ、なんてない。」というブランドメッセージを継続的に発信。またブランド体験をより深めるためのオウンドメディア「LIFULL STORIES」を立ち上げ、コロナ禍での暮らしの新しい価値観にフォーカスしたムービーや、ニューノーマルな暮らしにおける課題解決の事業アイデアを募集するなど、事業を通じて、また生活者との対話を通じて、LIFULLのブランド体験を深耕している。

活動の成果

社内アンケートによると、「LIFULLの目指していることが分かった」という回答が社員の80%以上というスコアを達成。また、2003年から導入している従業員へのエンゲージメントサーベイでは、コロナ禍にもかかわらず過去最高値となり、「ベストモチベーションカンパニーアワード2021」(リンクアンドモチベーション主催)の中堅・成長ベンチャー企業部門において、アワードを受賞(約1100社内で第3位)。
一方、活動当初の課題でもあった企業認知度については、2018年4月時点の約20%から2021年6月には40%以上にまで上昇。またコーポレートメッセージ「あらゆるLIFEを、FULLに。」の認知は、LIFULL認知者において約120%上昇。「社会に貢献している」、「将来性を感じさせる」イメージも、それぞれ約175%、150%上昇するなど、着実にブランド認知と理解が進んでいることがうかがえる。
こうした一連のブランディングの活動に対し、One Show、New York ADC、New York Festivals、Spikes Asia、グッドデザイン賞など、国内外50を超えるアワードを受賞しており、様々な取り組みの成果が広く認められている。

ご担当者様コメント

事業を通じて社会課題解決に取り組む企業グループとして、今後も常に一貫性あるブランド活動を通して、経営理念を実現していきたい。
プロモーション活動に止まることなく、私たちが取り組むべき目標「LIFULL アジェンダ」に対して、事業によるアクションやオープンイノベーションなどを通じ、積極的に社会課題解決に取り組んでいく。今後も、すべてのステークホルダーと向き合い、共感を得るようなLIFULLブランディングを推進していくことで、より良い社会をつくっていく。

評価コメント

本活動は、LIFULLのパーパスに基づいて、LIFEを中心としたさまざまな事業を通じた社会課題解決の企業グループに進化していくことを目的としています。
コーポレートと事業・商品、あるいはブランドと経営が同調せず、一気通貫したブランディング活動が推進できないケースが散見される中、ブランディングを経営・事業活動そのものと位置づけ、全社横断的な取り組みが実践されており、その結果、LIFULLならではのブランド体験の場の提供、事業の創出、そして事業領域拡大にまでつながるブランディングとして高く評価しました。
また、一気通貫で執行責任を担うマネジメントの下、事業部門だけではなく、様々な部門と連携し合う仕組みが整備されたブランディングに取り組まれている点も特筆すべき評価ポイントであり、他ブランドの参考となるのではないでしょうか。