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Gamba Osaka

ブランドコンセプトを明確化し、共通の価値観をファン・サポーターのみならず、全てのステークホルダーと共有することで社会からの期待感を高め、クラブ経営の更なる発展を目指すために、スタッフ自ら主体者として価値観の理解・実践を意識し、社会的価値や評価の向上に繋げる活動

課題背景

2021年にクラブ創立30周年を迎える中、関係者が共通の価値観(ガンバの特徴となるべき要素)を持てていないことを原因として、クラブとしての方向性の不一致や、事業推進における成長戦略の未整備、社員が自律自発的な行動が取れていないなど、多くの課題があった。また、新たな放映権者参入などのビジネス環境の変化に加え、コロナを契機にファンや社会の意識や行動が大きく変わりつつある中、次の30年を考えた時にクラブの未来像が描けておらず、変化に対応するリブランディングが必要であった。

組織体制

小野代表取締役社長をプロジェクトオーナー、営業部長を統括とし、顧客創造部、広報部、経営企画を中心とし、さらに外部からはパナソニックスポーツ社(当時パナソニック株式会社 スポーツマネジメント推進室)も含んだ組織横断的なプロジェクト推進チームを組成。方向性が固まった段階から、集客事業・商品事業・ホームタウン推進、試合運営広報、管理、普及、パートナー営業の各部門も参画し全社的な活動として展開を進めた。

戦略・実行

30年の歴史の中で培ってきたものや、チームとして力をつけてきた部分はありつつも、変化していく社会の中で、今後このブランドはどうあるべきなのか、ファン・サポーターのみならず、地域や社会に対してどのような存在となるべきなのか、ということを、ステークホルダーへの調査、インタビュー、デスクトップ分析などを元に議論を重ね、目指すゴールとして”「Japan’s Best Sports Experience Brand」 日本を代表するスポーツエクスペリエンスブランド” というアンビションを掲げた。これによって事業活動の軸が定まり、新たな活動の企画・検討をする際に「それはベストなのか」「日本を代表するようなエクスペリエンスとなり得るのか」といった議論に繋がり、その範囲も、サッカーフィールドを超えたものへと拡がるようになった。また新たに6つの共通の価値観(Values)を設定するなど、事業活動、および社員一人ひとりの行動においても、よりガンバらしく表現・実践するための基盤を策定したことが、事業の展開の幅と質において、大きな変化、向上へとつながった。

活動の成果

ブランドコンセプトに基づいて中期的に達成すべき目標の明確化と実践・推進をするブランド推進会議を発足し、社内各部門代表者が参画。自律的に各種活動の検討・実践が行われており、その内容はスタジアムでの活動にとどまらず、今までにはなかった社外の企業とのコラボレーション、サッカーを越えたスポーツや音楽イベントとの連携や地域活性化に向けた社会貢献など、ブランドを軸としたさまざまな活動により、売上向上、及びファン・サポーターをはじめとするガンバ大阪を取り巻く人々へのポジティブな反応となり、拡がりを見せている。

ご担当者様コメント

30年という歴史がある中で、今回のリブランディングの取組みはそのテーマの大きさや重要性からみて、非常に大きなチャレンジだったが、このクラブを何とかより良くしたい、そのためには我々は変わらなければいけない、という強い思い、危機感から成し遂げられたと思っている。スポーツでしか成しえないスタジアムでの最高の体験がある。その体験をどうやって日常の中で作り出していけるか、サッカーという枠を越えて、ファンや地元の人に愛されるクラブになっていきたい。

評価コメント

クラブチームやプロスポーツチームの経営においては、その興行的な側面から、チームの強化や来場者サービスなど、スタジアム内のコンテンツの強化が一般的な取組みの中心となっているケースが多いですが、ガンバ大阪は、取り巻く環境が大きく変化する中、未来視点から自らを「チーム」ではなく「ブランド」として捉え、これからどのような存在となるべきか、という将来への方向性を導き出し、活動を開始し、成果が目に見える形で現れ始めています。サッカーの枠を越え、スポーツエクスペリエンスがもたらす感動、熱い想いを共有し拡げることにより社会に貢献していくというブランドの想いが今回明確化され、一連の活動の根幹となっており、このプロジェクトを高く評価できると考えます。