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KATE

コスメブランドKATEは、1997年のブランド誕生以来唱えてきたno more rules.の思想のもと、時代の潮流に合わせパーパスをアップデート。そのパーパスを起点に、「メイクにもっと自由を」という想いを、商品開発から顧客体験に至るまで一貫して取り組み、シームレスなブランド活動として顧客と強い絆で結ばれたブランドへの変革を目指した活動

課題背景

2019年当時、メイク市場は低価格・デジタル化の進行や海外ブランドも含めた競合が増える中、機能や価格での競争には限界があるとともに、今後は、ブレないブランドパーパスをもとに存在意義を磨き続けなければ、社会から必要とされなくなり、間違いなく淘汰されていくという危機感があった。

組織体制

トップのコミットメントの元、事業部門のブランドチームがブランディングを設計・リードし、研究・商品開発・調査・コミュニケーション・販売など社内の多岐にわたる機能部門(及び社外の代理店など)にブランドの考え方を浸透させ、関連する全部門を巻き込んでブランドと生活者のあらゆる接点でブランドパーパスの体現を図っている。

戦略・実行

ブランド策定段階では、業界関係者、有識者などへのヒアリング、社内でのワークショップを通じてKATEの強み・弱みの洗い出し、ダイバーシティの深考、KATEらしいこと・KATEらしくないことの言語化等、議論を重ねて方向性を定めたことで、社内の目線合わせにもなった。 さらに、メイクを取り巻く変化(自己投資意識の高まり、自己表現のための自分ウケメイクなど)や社会の潮流(多様性の尊重、社会の当たり前に対する不満など)の分析から、no more rules.を通して戦うべき「ルール」が、時代と共に変化していることにも注目し、これまでの「誰かに押し付けられた美の基準と戦う」から、「みんなから感じるソーシャル・プレッシャーからの解放」へと変更した。多くの目に見えないルールに縛られ、一歩を踏み出せない方々に、「no more rules.」を 掲げるKATEだからこそ、既成概念に囚われず「メイクにもっと自由に」を実現するため、パーパスを起点に商品開発から顧客体験に至るまで一貫して取り組んでいる。独自のKPI指標も作成してトラッキングも行なっている。

活動の成果

成果として、パーパスを体現する2つの象徴的な商品が生まれた。「メイクにもっと自由を」という想いを実現すべく、マスクもメイクという、メイクの枠を超えた「小顔シルエットマスク」や、マスクをしていてもオシャレをしたいインサイトを捉えた、色落ちしにくい「リップモンスター」を発売。結果21年メイク市場規模前年比98%に対しKATEは110%を達成(インテージSRI+ メイク市場 21年累計販売金額)。ブランドパーパスというブレない軸があったため迅速な判断ができ、小顔マスクは販売まで3ヶ月という短期間で実現させることができた。また、社内でも今回の取り組みで社長賞を受賞し、社内においてもパーパスに基づいた商品ブランド活動のロールモデルとなっている。

ご担当者様コメント

ブランド強化の活動をしていく中で、生活者から選ばれることはもちろん、社員・関係者のモチベーションが上がって楽しく取り組めているところは成果がでていると考えている。今回の取り組み後、高校生から手紙をもらい「ソーシャル・プレッシャーからの解放」をテーマに共同で文化祭を行うことにもなった。KATEは25年の歴史があるブランドだが、今後50年100年まだまだブランドとして成長させていきたい。その為には常にアップデートが必要で、「no more rules」に従って既成概念にとらわれず、まだ誰もやったことのないことを常に狙っていきたい。

評価コメント

マーケティング活動に偏りがちな消費財ブランドが多い中で、意識的にブランド軸で変化を起こすことに挑戦されており、実際に成果が出ていることからパーパスドリブンなプロダクトプランド事例として評価しました。ブランド軸があるからこその迅速な判断や各部門間での意識統一などが可能になり、社内のプロセスや士気にも変化がありました。また、KATEの成功を元に、家庭用品の事業までに今後はブランド軸とした方法を拡げていきたい と、花王全体の変化の契機にもなっています。顧客からブランド思想に対する賛同のメッセージも寄せられており、売上だけではない、ブランドに関わるすべての人々を幸せにする取り組みだと考えます。まだ、取り組み年数が短いこともあり、さらにブランドを体現できるような商品・サービス開発に期待しています。