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Sofy

生理用品の市場シェアトップのリーディングカンパニー、ユニ・チャーム。同社の主力生理用品ブランドである『ソフィ』を通じて、生理について気兼ねなく話し、女性が自分らしく過ごせる社会の実現を目的とした企業理念を具現化する活動

課題背景

日本には、生理のことを話してはいけない、隠さなくてはいけないというタブー視する風潮があり、生理についての体系的な情報が少なく、情報交換もしにくい等の背景から、自分に合った生理ケアや過ごし方を把握できない女性が多かった。
そのような中、日本の女性にも生理について気兼ねなく話せ、女性が自分らしく輝き続けられる社会を実現することを目的に、2019年に『#NoBagForMe』プロジェクトをスタートした。

組織体制

マーケティング部門や広報室、DX推進部を中心に、「どのように伝達していけばよいのか」クリエイティブ開発部とも密な連携を図り、知財法務、品質保証、お客様センターといった部門と協力体制を取りながら、社内横断プロジェクトとして推進している。また、経営トップも、創業理念である「NOLA&DOLA」の考え方から乖離がないか、「共生社会の実現」に向けた活動になっているかといった観点からアドバイスを行ったり、多数の講演で本活動について言及・発信を行うなど、経営トップの高いコミットメントのもと、複数の部門が連携し、全社活動として継続的に取り組んでいる。

戦略・実行

本活動のコンセプトである『#NoBagForMe』は、生理用品を購入するときにその中身を隠す紙袋は要らないという選択肢を持つことにより、女性が活躍する社会の時代変化に合わせ、生理に対するこれまでの価値観を周囲の環境含めて変化させたいという思いを込めている。
活動の初年度である2019年度は、趣旨に賛同いただいた5名のKey Opinion Readerをメンバーに迎えて、各メンバーの意見やSNS上での議論を反映させ、生理用品のパッケージデザインを開発。
また、女性という当事者だけの活動に終わらせず、社会の問題に昇華していくことを最大のチャレンジと考え、2020年からは、「生理についての知識向上と相互理解を促進」し、生理周期や生理ケアの正しい知識を多くの方に知っていただくことを目的に、企業向けに「みんなの生理研修」をスタート。女性の職場での働きやすさに貢献する啓発・浸透活動を継続的に展開している。
こうした活動が口コミで広がり、教育団体や自治体からの研修実施の依頼も増えていることから、今後、さらに加速度的に社会の変化が進む後押しとなることが期待される。

活動の成果

社内おいては、年に1回実施される「CEOアワード」において、日本430件、グローバル880件もの活動がエントリーされた中、本活動がシルバー賞を受賞。ユニ・チャーム全社に共有され、大きな反響を得た。
社外においては、PR Awardグランプリシルバー賞受賞、2020年版「現代用語の基礎知識」に選定されるなど各種アワードでの受賞実績を得た。
また、企業向けの「みんなの生理研修」は、スタートした2020年は30団体、2021年110団体、2022年11月時点では約130団体が実施するまでに至り、本活動に対する共感、受容性が高まっていると考えられる。

ご担当者様コメント

「共生社会の実現」にこだわっていきたいです。まだ、身体面だけではなく精神的にもつらい思いをしている女性は多数存在します。そのような方々が孤独にならず、気兼ねなく誰かに話せるような社会になることで、一人でも悩みを抱える人を減らしたいです。『ソフィ』を通じてそのような世の中の実現に向けて働きかけていきたいというのが、一番の願いです。そのためにも、本活動を一過性のもので終わらせず、あたり前のこととして受け入れられるまで社会が実現するまで、経営者を巻き込んで継続していきたい。

評価コメント

本活動は、ユニ・チャームの創業以来の理念である「NOLA&DOLA」を、ソフィという主力商品を通じて具現化する活動として位置づけられており、トップをはじめ、全社的に高いコミットメントで推進されています。そのため、活動の目的は、商品ブランドソフィのコミュニケーション活動や一過性のキャンペーンにとどまらず、世の中の女性の生理における悩みや辛さを解決することを目指し、当事者である女性だけではなく、女性を取りまく企業や社会環境にもアプローチすることで、世の中を変えていくことを目指されています。そのようなユニ・チャームの強い信念が活動を通じて世の中に影響を与え始めており、創業以来の理念をもとにいかに現代の社会課題解決につながるような活動につなげてブランドを進化・深化させているか、多くの日本企業の参考になるのではないかと考えています。