We give our clients the confidence to make Iconic Moves

Goldwin Inc.

マルチブランド戦略から、CI/BI統合し「Goldwin」ブランドを軸としたグローバル成長戦略へと転換。新たなパーパスとコンセプトの下、未来世代への貢献も重視した体験価値の向上を多角的な取り組みで実施に繋げた活動 

課題・背景

ゴールドウインは従来、オリジナルブランド「Goldwin」を含む複数ブランドによるマルチブランド戦略で市場シェア拡大を図ってきたが、今後さらなる事業領域の拡大を計画していくなかで、オリジナルブランド「Goldwin」を主軸に据えグローバル拡大を行う戦略へ移行した。 マルチブランド戦略の影響で、企業「ゴールドウイン」とブランド「Goldwin」のアイデンティティが乖離し、一貫性欠如や断片化といった課題が生じていた。

戦略

企業ブランドとしてパーパスを策定する際には、70年以上にわたる歴史を振り返り、企業の価値観や失敗・成功体験を再確認。今までの企業ミッションよりもより社会性があり、広い領域の社会課題に取り組んでいく姿勢が必要と捉え、新たなパーパスの策定を推進させていった。
策定を進める上で、未来を担う現役世代の社員が中心となってプロジェクトを推進。ゴールドウインは自然をフィールドに、人間の可能性と自然の豊かさの両方を追求するモノ・コト・環境づくりを行う企業としての姿勢を明確にし、パーパスとして「人を挑戦に導き、人と自然の可能性をひろげる」と定義した。さらには、未来に向けたビジョンを掲げ、子どもたちが共感できる愛せる地球の未来を創ること、地球を守り、再生させるための事業を行う、という意志を込めた。

実践

ゴールドウインは企業ブランド強化のため、グローバルなCIガイドライン策定とブランドムービー制作により、世界観の統一と社内外への発信基盤を構築した。経営方針発表会等でのトップメッセージ発信、社内オウンドメディアでの社員インタビューを通じたCI浸透、外部向けには社会貢献活動などを公開する「Field Research Lab」など、多様な手段でブランドビジョンを明確化し、ステークホルダーとの関係性構築に努めている。 2021年より開始した「PLAY EARTH」プロジェクトでは、子どもたちに自然と繋がる遊びを提供。イベント開催や国立公園での活動、2027年の「PLAY EARTH PARK NATURING FOREST」開業などを通じて、自然共生と持続可能な社会への貢献を目指している。

成果

ゴールドウインの取り組みは始まったばかりだが、持続可能な未来への貢献というパーパスが、技術開発、製品開発、そして事業そのものの変革に寄与している。具体的な成果としては、学生向け教材開発や環境教育の継続に加え、アークテリクス、フライタグ等との協業による「DO REPAIRS」活動への発展。これは、サステナビリティへの取り組みとして回収、預かり、クリーニングといったサーキュラーエコノミーの実践へと繋がっている。さらに、ブランディング視点からの製品開発や店舗開発への横断的なアドバイスも開始し、企業全体の意識改革を推進している。

評価コメント

ゴールドウインは、マルチブランド戦略から「Goldwin」ブランドを軸としたグローバル成長戦略へと転換し、CI/BI統合によるブランディングを推進している。新たなパーパス「人を挑戦に導き、人と自然の可能性をひろげる」とコンセプト「PLAY EARTH(=地球と遊ぶ)」の下、体験イベント、ベンチャー連携、サステナビリティ活動(リペア、サーキュラーエコノミー)など多角的な取り組みを実施。子供向け教育活動など未来世代への貢献も重視し、都市部住民の自然意識向上にも寄与している。展示会等を通じたステークホルダーとの継続的コミュニケーション、製品・店舗開発へのブランディング視点導入など、更なる発展が期待される。