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KAMIKATZ

クラフトビールを飲むという行為を気づきとして、これまでリーチできていない層に対しても環境保護への参加意欲を喚起させ、事業を通じて地域社会とのつながりや、地域自体の活性化、他の地域社会にも良い影響を及ぼす体験の仕組みを、自治体や企業、地域と連携し実現した活動 

課題・背景

徳島県上勝町は、過疎化・高齢化、主力産業の衰退による人口減少と地域経済縮小という深刻な課題を抱えていた。かつて林業と農業で栄えた町は、持続可能な地域社会の構築が急務となっており、その解決策として、地域の魅力発信による関係人口の増加、若者の定住促進を図り、環境問題と地域課題の多面的な解決を目指していた。

戦略

KAMIKATZブランドは、上勝町のゼロ・ウェイスト活動から生まれた。ゴミを出さない店「上勝百貨店」の経験を活かし、環境保護などを軸にクラフトビール事業へと転換し、ブランドを立ち上げた。経営陣、社員、地域有識者との議論を経て「クラフトビールを介して、環境問題への意識と行動を誰もが自然と日常生活に取り入れられる契機の促進」するブランドを目指す。上勝町の取り組みと連携し、地域自立と他地域への波及効果も狙う。消費者調査に基づき、「JUST DRINK KAMIKATZ BEER=飲むことで環境に良い影響を与える」というメッセージと、「誰もが手軽に、かつスタイリッシュに環境保護に参加できる社会の実現」というビジョンを策定した。ビールを飲むというシンプルな行動で環境保護に貢献できることを訴求している。

実践

KAMIKATZビールは、長野の硝子工房「STUDIO PREPA」と協働し、空瓶を再生する「KALACREATE」プロジェクトを展開。ビール製造における資源循環に加え、消費者の「ごみ」意識を変革し、資源循環への理解促進を目指す。具体的には、飲食店「RISE & WIN Brewing Co. BBQ & General Store」で空瓶回収キャンペーンを実施。回収された瓶はSTUDIO PREPAで溶解され、新たな器として同店で販売された。このプロジェクトは空瓶のアップサイクルという新たな視点で「ゼロ・ウェイスト」「”Z” meaning」を体現。消費者がサステナブルなライフスタイルを実践する一環として、資源循環のストーリーを自ら体験する機会を提供した。

成果

KAMIKATZは、企業向けのフィールドワーク研修を通して、サステナビリティを軸とした地域活性化に貢献している。研修では、上勝町の事業者や自然との交流を通して、参加者に地域課題を「自分事」として捉えさせ、解決策を考案する機会を提供。その結果、新規事業の立ち上げや、商品開発における社会課題への意識向上など、具体的な成果に繋がっている。 上勝町への視察来町者数は2015年の約2500人から2022年には19,300人と大幅に増加。Forbes JAPANへの掲載や、クラフトビール関連の受賞、TOKYO TORCHとのコラボイベントなども展開。社員も上勝町の農業に携わり、地域貢献を実践している。これらの活動が、上勝事業開始前の売上高3倍と成長に繋がっている。

評価コメント

クラフトビールを飲むというシンプルな行動が、環境保護への参加意欲を喚起させ、地域社会とのつながりや、地域自体の活性化、さらには他の地域社会にも良い影響を及ぼす体験の仕組みを、自治体や企業、地域と連携し実現したブランド= 『KAMIKATZ』。地域から社会、世界に影響力を及ぼそうとサステナブルなまちづくりを目指して、他の企業や都市と取り組みを進めており、関わる企業にKAMIKATZに実際に来てもらい、その豊かさの源泉を感じてもらい同じ志のもと協働するユニークな取り組みである。企業にとっての課題解決だけでなく、地域の課題に着目する中で、互いに共感し合い、双方の課題解決できるプロジェクトの実現を目指しているところを評価。