We give our clients the confidence to make Iconic Moves

LION

「より良い習慣づくり」というLIONならではの壮大な提供価値を、概念に留まらず、従業員が共感し、能動的に考えながら実践し、企業の活動として具現化することを目指した組織的な活動

課題・背景

2018年にパーパスを掲げたが従業員への浸透が十分に進まず、パーパスを共通言語とした社内外へのコーポレートブランディング活動は推進されていない状態にあった。また、感染症拡大の中、適時適切な企業表明や発信において劣後が見られ、企業活動の根幹となるLIONの理念を明確にし、具体的な事業活動を通じて、社会や生活者、社員との強い関係性が必要であった。

戦略

社員がパーパスを実践していくことが、コーポレートブランドの活動に結びついていく状況を目指し戦略を検討。具体的には、2021年にパーパスを見直し、「より良い習慣づくりで、人々の毎日に貢献する(ReDesign)」とし、そこに込められた意味を明確化した。加えて、パーパスを実践できる組織・人材を育てていくための5つのビリーフスを制定。そして、パーパスに基づき、気の進まない習慣(Reluctant Habits)から、前向きな習慣(Positive Habits)に進めていくことを事業の展開戦略とし、①新しい習慣の数、②習慣の実践頻度、③習慣の効用・質、④習慣の定着者数を可視化して習慣を評価することを定め、ストーリーに則った取り組みを推進している。

実践

習慣創出を一連のサイクルのブランド体験として捉え、ブランドの体験とコミュニケーションの展開を図っていくことを志向し始めている。具体的なポイントは次の5つ。①生活者が習慣づくりに参加・参画するために必要な情報資産の形成、②生活者が習慣づくりに参加する際の情報や資源の統合、③習慣づくりとなるサービスやプロダクト交換の手続き・仕組みによる収益化、④習慣づくりに参加した生活者(顧客)の資産化と継続を促すコミュニケーションや仕組み、⑤参加者による発信や情報伝播といった社会関係資本化によるブランド資産の形成。 また、LIONが提供するプロダクトブランド体験を3層価値(入口価値・熱狂価値・本質価値)で整理し、LIONとプロダクトブランドとの支援貢献関係の構築も図っている。さらには、オーラルケア、清潔・衛生習慣を探求するメディア「LION Scope」をコーポレートサイト等で展開し、顧客の間で習慣づくりの対話を促進、SNSやイベントを通じて情報や実際の体験を共有している。

成果

健康的な生活習慣づくりに貢献する製品・サービス、及び情報を提供した人数は、オーラルケア分野で3.1億人、清潔・衛生分野で1.7億人まで到達(2030年目標:いずれも5億人)。 また、歯磨き市場の拡大は4倍、子供の虫歯比率が3分の1に減少(2022年と1969年の比較)といった社会への貢献も実現。 インターナルコミュニケーションについては、企業理念の浸透ワークショップなどを実施。その結果を従業員意識調査によって測定。2022-2023年で、パーパス実践度は8.7%上昇。 ビジネス面では、国内市場での売上維持と海外事業の拡大に成功し、2021年から2023年の売上高の成長を実現させている。

評価コメント

「より良い習慣づくり」というLIONならではの価値を、概念に留まらず、従業員が実践し、企業の活動として具現化することを目指した組織活動を展開している。活動を実践する上での組織体制や活動のマネジメント方法についても社員を拘束するような管理型から共創型に変化させていったという点も大きな変化と言える。清潔・衛生、オーラルケア、家事やウェルビーングなど生活における「前向きな習慣」を根付かせることで社会をより良くしようとする同社の取り組みは、同社ならではのパーパスと言え、一連のブランディング活動を通じて、社員自らが「パーパスを実践していこう」という意識変化が見え、具体的なアイディアや活動が生まれてきている状態は、まさに目指す方向に順調に動き出していると言える。