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mercari

共通の目指すべき方向性が明文化され、さらにスピード感を持って事業展開が進められ、社員がメルカリらしさを育て、醸成するための仕組みづくりを戦略的に実行。社外のタッチポイントにも積極的にメルカリらしさを伝達し、新たなビジネス展開に活かした活動 

課題・背景

2013年の創業から10年を迎えたメルカリ。事業の拡大、サービスの成長、グローバル展開が進む中で、ステークホルダーやコミュニケーションがさらに広く複雑になってきたことから、グループミッションの更新と、一貫した「メルカリらしい体験」のためのコミュニケーション/クリエイティブにおける指針を含めた、サービス/プロダクト観点並びにコーポレート全体のブランド戦略が必要となった。

戦略

新たなグループミッションは、「あらゆる価値を循環させ、あらゆる人の可能性を広げる」と策定。物理的なモノやお金に限らずあらゆる価値を循環させることで、誰もがやりたいことを実現し、人や社会に貢献するための選択肢を増やすことができるという思い込めた。経営戦略や価値創造プロセス、マテリアリティも、すべてミッション達成に向けて策定されており、同時に「Brand Core」や「Design Principle」といったコミュニケーションにおける指針もミッション・ドリブンで言語化されており、全社として求心力を最大化させる価値のある整理・展開が行なわれている。

実践

新たなミッションを体現する、メルカリハロ (人の労働力の循環)等の事業展開を実現。組織としても、中長期で財務的インパクトと社会的インパクトの両立拡大に貢献できるよう、ブランド戦略はサービスとコーポレートの戦略ロードマップに紐付けられている。ブランドデザインコミュニケーションにおいてはレビュー体制を整え、結果、あらゆるサービス、UI/UXやグラフィックデザインの面で「メルカリらしさ」が表現されている。コンテンツ企画においても「ウチの実家」「名前のわからないもの展」「超推し活展」など、メルカリ主語でないコミュニケーションで、「モノのワクワク感」「誰でも親しみやすい」「好きの可能性を広げる」など、メルカリがサービスを通じて届けたい情緒的価値が感じられる体験を展開している。

成果

「連結売上高 (1,720億円→1,874億円)」はさることながら、定期的にお客さまに対して意識変化の調査を行い、「人や社会の役に立っていると感じられるようになった 40.4%」「自分の状況(病気/障がいがある/妊娠中/介護中など)にかかわらず欲しいものが買えるようになった 50.2%」など、個人のエンパワーメントへの貢献成果が出ている。 また、社内に関しては元々自走意識が高い社員が多かったが、共通の考えを言語化することによって、メンバーの意識もアップデートされ、さらにスピード感が高まった。特に、採用においては、社外の人材獲得において女性・外国籍採用に注力しており、「管理職における外国籍比率、女性比率の加速(外国籍:25.7%→28.7%、女性:20.4%→23.7%)」と結果が出ている。

評価コメント

多種多様なサービス・人材が広がっていく複雑な環境の中で、スピード感を持ってブランドを動かすことは容易ではないと想像される中、本質的に価値のあるブランド展開を行なっている。共通の目指すべき方向性が明文化されたことで、結果、社員がさらにスピード感を持って事業を進められることはもちろん、あくまでメルカリらしさを育てていくのは社員が主体であり、それらを醸成するための仕組みづくりを戦略的に実行されている。結果、事業も発展し、社外にもあらゆるタッチポイントでメルカリらしさが届き、アジャイルなブランド開発・展開の好例として高く評価できる。