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SHIRO

創業の地である砂川市において、経済活性化、行政福祉の充実、人口流出減という好循環を生み出すことで恩返しすると共に、SHIROのものづくりの発信基地と位置付け、化粧品やその他事業との相乗効果を通じたブランド価値向上を実現した活動 

課題・背景

2009年に北海道砂川市で創業以来、砂川市内の自社工場で製品製造を続け、2021年当時、年間買い上げ客数が230万人にまで成長。一方で、創業以来唯一の自社工場が位置する砂川市では過疎化が進んでいた。そこで、SHIROブランドのさらなる成長も目的に、SHIROブランドの新工場を中心に地域、顧客とともに取り組むまちづくりをスタートさせた。

戦略

「みんなの工場」は市民とのワークショップを26回にわたって実施し、創業以来の理念である「世の中をしあわせにする」という考えのもと「すべての人の居場所になること」をビジョンに掲げ、SHIROのブランドの本拠地としての体験戦略と展開戦略を具現化した。具体的にはSHIROのものづくりのプロセスを「オープンに」みせることで、工場見学がいつでもできる環境を実現。また、ものづくりを体験できるような場として新工場「みんなの工場」を設計した。工場をつくる上で、“みんなのすながわプロジェクト”で行った、市民とのワークショップの過程もSNSやアーカイブとして発信・展開。これらを含むSHIROの活動を全店で、ならびにオンラインストアのお客様へ配布するブランドタブロイド紙「SHIRO PAPER」などで取り上げるなど、複数のオウンドメディアを通じて人々に発信し続けている。

実践

「みんなの工場」でSHIROブランドのものづくりを常時公開する開かれた工場の実現に向け、来場者や世の中に届けられる価値についてトップ自ら毎週工場の朝礼に参加して対話を重ねながら社内スタッフの理解共感を得ていった。本活動の推進にあたり発足当初から経営がすべてにコミットメントしている。来場者に提供するブランド体験の具体的施策もトップ自ら中心となり、マーケティング部門のメンバーと共につくり上げてきた。本活動はCSR目的での取り組みではなくSHIROブランドの活動そのものであり、経営としても本気の取り組みであると位置づけたことが背景にある。そうした組織運営体制のもと、砂川市の地域の方々、行政の方々、「みんなの工場」への来場者、SHIROのSNSやカスタマーサポート宛にお問い合わせいただくお客様等、広く関係性を深める対応をしている。

成果

社会にもたらしたインパクトとして、砂川市へのふるさと納税の件数と金額に大きく貢献したことが挙げられる。2021年に開始したSHIRO返礼品出品による砂川市への寄付額は2023年で年間7.4億円にも上り、こども医療費助成事業の対象の拡大、学校給食費の無償化に貢献。顧客へのインパクトとして、来場者の25%が道外からの来場、Googleの口コミも平均4.1と高評価を獲得し、工場を訪れる生活者を中心に徐々に評判が広がり始めていることがわかる。一方、社員・従業員においても、このまちづくりの取り組みに有志でのべ100名以上が参加し、市民やお客様との関わりの中で得られた気付きを自身の仕事に反映、ポジティブに受け止められており、販売職の離職率低減に繋がっている。

評価コメント

本活動は、SHIRO創業の地である砂川市において、経済活性化、行政福祉の充実、人口流出減という好循環を生み出すことで恩返しすると共に、SHIROのものづくりの発信基地と位置付け、SHIROのブランド価値向上に向けた取り組みである。20回以上に及ぶ市民、行政との対話を通じて活動方針を策定、実行している点は、ステークホルダーと「共創」しながらブランディングを推進しており、今回の進化したJapan Branding Awardsの趣旨とも合致している。ブランディング活動には終わりはなく常に進化していくものである。これまでSHIROのブランドが地域と一緒に起こした化学変化をさらに今後も継続して頂き、さらなるインパクトを見せて頂くことを楽しみにしている。