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DAIKIN

片山 義丈 様
ダイキン工業株式会社
総務部 部長 広告宣伝グループ長

Best Japan Brands 2024
ブランドリーダーズインタビュー

これまでにない変容を続ける環境の中で、ランクインしたリーディングカンパニーは今後の成長のためにどのようにその変化を捉え、対応しようとしているのか。各社のブランドリーダーが5つの質問に答えるインタビューシリーズ。

この1-2年を振り返ってみて、御社の事業やブランドにとってどのような年でしたでしょうか。

地球温暖化が進み、社会の環境意識も高まる中、DAIKINは環境負荷の高いエアコンを事業の核に据える企業として、事業を通して世界の持続可能な未来に貢献していくブランドのメッセージを発信し続けてきました。その結果、着実にブランド価値が積み上がり、事業成長との相乗効果も出てきました。コロナ禍や戦争をはじめとする大きな変化の中でも、前進していることを実感しています。 

組織や事業全体として (担当部門として)、対応する領域や範囲はどのように変わってきているでしょうか。

ダイバーシティが重んじられ価値観が多様化するこの社会に、DAIKINが提供できる価値は何か。自社の収益拡大のためではなく、どのような価値で社会課題の解決に貢献できるかを考え続けています。もはや「良いものを作ればよい」という昔ながらのメーカー発想では何もうまくいきません。大切なのは、経済価値向上と社会価値向上を両立し、企業価値を高めること。そことしっかりと向き合ってブランドづくりに取り組みたいと考えています。 

想定を越える社会や人々の変化に対して、事業として、ブランドとしてどのように対応してきていらっしゃるでしょうか。

社会や人々の変化を環境への不安の高まりと捉えるなら、その変化は私たちの想定を必ずしも超えていません。2018年に「環境ビジョン2050」に掲げたとおり、温室効果ガス排出実質ゼロに向けた活動を粛々と推進し、社会から信頼される事実を積み重ねていきます。 

社員の働き方や意識は、どのように変わったと感じているか。ワークライフバランス、効率性やエンゲージメント、社内コミュニケーションといった社内カルチャー、社員の価値観などに、どのような影響があり、それにどのように対応してきていらっしゃるでしょうか。

社会や人々の価値観の多様化は、社員についても言えることです。社員の価値観の変化・多様化をふまえた柔軟な働き方というと、誰もがリモートワークをイメージするでしょう。オフィスの縮小は今やトレンドのようになっていますが、DAIKINはトップの判断でコロナ禍の渦中にあった22年に本社を移転し、オフィスのフロア面積をむしろ大きく拡大しました。各フロアのオープンスペースやミーティングスペースを増やし、コロナ前以上に密なコミュニケーションをとりやすくなりました。環境変化でわかったリモートの良い点を活用するのは当然のこと、そこで忘れられがちなリアルの良い点をさらに強化することで、業務効率やエンゲージメント、社内コミュニケーションのいずれの面でも、以前よりも格段に量も質も高まったと感じています。 

パーパスや経営の理念、ビジョンなどの重要性が論じられていますが、それらを事業活動の中で、どのような形で活かしていらっしゃるでしょうか(実体化に向けてどのような取り組みをされているでしょうか)。

パーパスを建て、そこから事業をどうするかというアプローチだと、パーパスの実装化のために、特別なことをしなければなりません。それではパーパスがお飾りになりやすいと感じています。DAIKINがそうなっていないのは、事業とパーパスが一体不可分になっている、つまり経営理念や中期経営計画にパーパスに相当する考え方が最初からインクルードされている点にあります。 
企業によって最適解は異なりますが、インクルードされていることで環境負荷への対応や商品のスペック、販売目標など、事業活動のすべてにおいてパーパスとの一貫性が貫かれています。