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DENSO

神戸 千隆 様
株式会社デンソー
執行幹部 広報渉外部長

Best Japan Brands 2024
ブランドリーダーズインタビュー

これまでにない変容を続ける環境の中で、ランクインしたリーディングカンパニーは今後の成長のためにどのようにその変化を捉え、対応しようとしているのか。各社のブランドリーダーが5つの質問に答えるインタビューシリーズ。

この1-2年を振り返ってみて、御社の事業やブランドにとってどのような年でしたでしょうか。

2023年は経営トップが交代し、新体制としての新たな経営方針を打ち出した年になりました。具体的には、「自動車業界のTier1」から「モビリティ社会のTier1」への進化を目指し、「モビリティの進化」「基盤技術の強化」「新価値創造」の3つにチャレンジしていくと宣言しました。今後、新たな方針に対して多くの理解と共感を得られるようなブランドコミュニケーション活動を推進していきたいと考えています。 

組織や事業全体として (担当部門として)、対応する領域や範囲はどのように変わってきているでしょうか。

自動車部品メーカーとして、クルマの電動化や自動運転といった「モビリティの進化」に取り組むだけでなく、環境領域ではカーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーに貢献できる事業を立ち上げるとともに、安心領域では食糧の安定供給や労働力不足といった社会課題を解決するために食農分野や工場の自動化に関連した事業にも取り組んでいきます。広報部門としては、これまで以上に新規事業開拓に貢献できる活動を推進していきたいと考えています。 

想定を越える社会や人々の変化に対して、事業として、ブランドとしてどのように対応してきていらっしゃるでしょうか。

気候変動や資源不足といった社会課題の深刻化、地政学リスクの顕在化、人々の価値観の多様化など、先行き不透明で複雑な時代の中、会社として広く社会課題に向き合い、仲間を増やしながら解決できることがないかを常に考え続けています。広報部門としては、そうした社内の検討プロセスに入り込み、柔らかい段階から会社の方向性や社員一人ひとりの思いを社外に発信することで、仲間づくりに貢献していきたいと考えています。 

社員の働き方や意識は、どのように変わったと感じているか。ワークライフバランス、効率性やエンゲージメント、社内コミュニケーションといった社内カルチャー、社員の価値観などに、どのような影響があり、それにどのように対応してきていらっしゃるでしょうか。

社員の自己成長意欲は年々高まっていると感じており、会社のビジョンやブランドストーリーの社内共有に力を入れています。人の心を動かすのは、未来が見通しにくい中で依って立つことのできる世界観への共感です。そこに向かって挑戦していこうというモチベーションを持ってもらうこと、自己成長につながる会社であることを社員に意識してもらうために、インナーブランディングに取り組んでいます。

パーパスや経営の理念、ビジョンなどの重要性が論じられていますが、それらを事業活動の中で、どのような形で活かしていらっしゃるでしょうか(実体化に向けてどのような取り組みをされているでしょうか)。

社会課題解決に向けた仲間づくりと社員のエンゲージメント向上の両面から、パーパスやビジョンの共有は重要であると考えています。社内的には、会社のビジョンと社員一人ひとりのWILL/CAN/MUSTの双方から部門及び個人目標を定め、事業活動を推進しています。広報部門としては、会社のビジョンに過去の実績を紐づけしてストーリー発信することで、ビジョンに確かな実現性を感じて頂きながら、信頼されるブランドの構築と社員のチャレンジ意欲向上につなげていきたいと考えています。