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Hitachi

竹内 昌之 様
株式会社日立製作所
グローバルブランドコミュニケーション本部長

Best Japan Brands 2024
ブランドリーダーズインタビュー

これまでにない変容を続ける環境の中で、ランクインしたリーディングカンパニーは今後の成長のためにどのようにその変化を捉え、対応しようとしているのか。各社のブランドリーダーが5つの質問に答えるインタビューシリーズ。

この1-2年を振り返ってみて、御社の事業やブランドにとってどのような年でしたでしょうか。

私たちは、2024中期経営計画のもと、これまで継続してきた事業ポートフォリオ改革を踏まえ、サステナブルな成長の実現に注力しています。コミュニケーション面でも、リアルとデジタルのさまざまなタッチポイントで社内外への積極的な情報発信を強化してきました。注力するデジタル分野での取り組みを中心に、日立ならではの強みを伝えていくことを意識しています。コミュニケーション活動を通じて、さらなる事業成長や企業価値向上へ貢献していきたいと考えています。 

組織や事業全体として (担当部門として)、対応する領域や範囲はどのように変わってきているでしょうか。

事業のグローバル化に伴い、コミュニケーション活動においてもグローバルで日立のプレゼンスを高めることが重要になってきています。各地域において効果的に情報発信を行う重要性が増えてきていますし、同時にブランド毀損のリスクも増えています。社内外の情報を早く正確に集めて対応することなど、海外のコミュニケーションチームとの日々の連携がますます重要になってきています。各地域や各事業など、グローバルかつグループ全体で関係者を巻き込みながら、活動をする重要性を感じています。 

想定を越える社会や人々の変化に対して、事業として、ブランドとしてどのように対応してきていらっしゃるでしょうか。

社会の変化が激しい時代において複雑化する社会課題を解決するためには、DEI(ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン)の視点が必要だと思います。変化が激しい時代では、過去の成功体験が必ずしも生かすことができないという認識を持つことが重要であり、コミュニケーション部門でも、性別、国籍、年齢、そして考え方のダイバーシティも含めて、DEIを推進しているところです。多様な価値観を持つ社員が日立で働くことにやりがいを感じ、モチベーション向上につなげることで、日立ブランドへの求心力も高まると考えています。 

社員の働き方や意識は、どのように変わったと感じているか。ワークライフバランス、効率性やエンゲージメント、社内コミュニケーションといった社内カルチャー、社員の価値観などに、どのような影響があり、それにどのように対応してきていらっしゃるでしょうか。

コロナ禍を経て在宅勤務が定着したことで、国内と海外の垣根も含め、時間や場所にとらわれない、フレキシブルな働き方ができるようになりました。これまで育児や介護などで離職せざるを得なかった人たちも働き続けることができ、さまざまな環境下で働く社員が活躍できることは、DEIの観点からも非常に重要だと考えています。

パーパスや経営の理念、ビジョンなどの重要性が論じられていますが、それらを事業活動の中で、どのような形で活かしていらっしゃるでしょうか(実体化に向けてどのような取り組みをされているでしょうか)。

日立は、地球環境を守りながらデジタルで人々の暮らしをより良いものにし、人々の幸せの実現に貢献する「社会イノベーション事業」に取り組んでいます。地球環境と人々の幸せ、どちらかを優先したものではなく、この2つが両立する未来を実現するための社会課題解決こそが日立がめざしているものです。「社会に貢献する」という考えは今に始まったわけではなく、1910年の創業時から受け継がれている企業理念であり、この考えは110年以上にわたり脈々と受け継がれているものです。2024年は、創業者である小平浪平の生誕150周年に当たり、改めて創業の精神を振り返り、未来の課題解決につなげるプロジェクトを始動させました。また、創業の精神を体現した社員を表彰するグローバルイベント「Inspiration of the Year Global Award」を10年以上続けており、日立の歴史やカルチャーを学ぶ機会を積極的に創出しています。