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Mizuho

秋田 夏実 様
株式会社みずほフィナンシャルグループ
執行役 グループCPO兼グループCCuO

Best Japan Brands 2024
ブランドリーダーズインタビュー

これまでにない変容を続ける環境の中で、ランクインしたリーディングカンパニーは今後の成長のためにどのようにその変化を捉え、対応しようとしているのか。各社のブランドリーダーが5つの質問に答えるインタビューシリーズ。

この1-2年を振り返ってみて、御社の事業やブランドにとってどのような年でしたでしょうか。

23年5月に企業理念の再定義を行い、新たにパーパス「ともに挑む。ともに実る。」を制定しました。きっかけは、〈みずほ〉を変えたいという想いを抱いた社員150名が自発的に手を挙げて集まったワーキンググループでした。同じく「企業理念を再定義すべき」と考えていた経営陣が議論を重ねて出てきた案を全社員に公開。3,200ものコメントがつき、それらを反映しながら策定しました。非常に時間はかかりましたが、社員とともに創ったパーパスですから、策定時には社員全員が諳んじることができました。 
このパーパスをそのままブランドスローガンとして社内外に一貫して発信しています。 

組織や事業全体として (担当部門として)、対応する領域や範囲はどのように変わってきているでしょうか。

23年4月に創設されたコーポレートカルチャー室ではグループのカルチャー改革を推進中です。 
〈みずほ〉は銀行、証券、信託、リサーチ&テクノロジーズと多様なビジネス領域で事業を行っています。この幅広いフィールドを活かし、24年度からは5社共通の新たな人事の枠組みである〈かなで〉*をスタートさせます。社員がグループ全体の中で自身にあった活躍機会を得て成長し、活き活きと仕事に臨み、一人ひとりが自分らしさを実現して輝くことをめざしています。 

*「かなで」という名称には「社員と会社がともに創り、ともに奏でていきたい」という想いが込められている。 

想定を越える社会や人々の変化に対して、事業として、ブランドとしてどのように対応してきていらっしゃるでしょうか。

〈みずほ〉の創業者の一人である渋沢栄一は、1867年に渡仏し、西洋文明に衝撃を受け、このままでは日本は危ういと殖産興業に努め、立ち上げた企業が実ればまた次の企業を立ち上げ、500社弱の会社設立に関わることで社会経済の発展に挑んできました。 
〈みずほ〉には今も、そうした創業者のDNAが脈々と受け継がれています。お客様の挑戦を支え、お客様の実りにより利益が出たら、お客様の次の挑戦を支えていくことで、社会に豊かな実りをもたらせていきたいと考えています。 

社員の働き方や意識は、どのように変わったと感じているか。ワークライフバランス、効率性やエンゲージメント、社内コミュニケーションといった社内カルチャー、社員の価値観などに、どのような影響があり、それにどのように対応してきていらっしゃるでしょうか。

意外に思われるかもしれませんが、〈みずほ〉の社員は好奇心が強く、新しいことに挑戦する進取の気性に富んでいます。実際、世の中に先駆けて週休3日・4日制を導入したり、副業解禁、アルムナイネットワークの立ち上げなど先進的な取り組みも多いので、それらを、今後はより一層社外に発信していきたいと思います。 
社内コミュニケーションについては、リアルとオンラインの両方に力を入れてきました。社内SNSとして「Viva Engage」をコミュニケーションプラットフォームとして採用し、経営トップから支店の新入社員に至るまで約2万人がフラットなコミュニケーションを共有できる場になっています。 

パーパスや経営の理念、ビジョンなどの重要性が論じられていますが、それらを事業活動の中で、どのような形で活かしていらっしゃるでしょうか(実体化に向けてどのような取り組みをされているでしょうか)。

パーパスが実体化している例を挙げると、例えば先ほどご紹介した社内SNS上でのコミュニケーションにおいて、異なる拠点同士がノウハウを共有するなど新たな動きも出てきています。具体的には、鹿児島と宮崎という離れた拠点間で人手の足りない部分をサポートし合う事例が、本部を介さず自発的に起こっています。 
また、昨年10月に初めてサッカー日本代表の国際親善試合に冠協賛した際は、200人以上の社員がアンバサダーとして参加し、全国60ヶ所以上でパブリックビューイングを開催してくれました。東京と大阪の会場には内定者も招いて一緒に応援。他のスポンサー企業やお客様の協力も仰いで「ともに実る。」を実現しました。社員を巻き込むために、左脳的なロジカルなアプローチだけでなく、ワクワク感のある右脳的なアプローチで「ともに挑む。ともに実る。」をリアルに体験してもらうことが重要だと考えています。