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MUFG

飾森 亜樹子 様
三菱UFJフィナンシャル・グループ
経営企画部 部長
チーフ・コーポレートブランディング・オフィサー

Best Japan Brands 2024
ブランドリーダーズインタビュー

これまでにない変容を続ける環境の中で、ランクインしたリーディングカンパニーは今後の成長のためにどのようにその変化を捉え、対応しようとしているのか。各社のブランドリーダーが5つの質問に答えるインタビューシリーズ。

この1-2年を振り返ってみて、御社の事業やブランドにとってどのような年でしたでしょうか。

2021中計の中核として、パーパス「世界が進むチカラになる。」を新たに定義、「MUFG Way」を策定しました。ブランドは、社会と会社を変革する推進力と考えています。現中計の企業変革の3つのエンジンは「DX・サステナビリティ・カルチャー改革」ですが、金融業界は今、変革の覚悟を問われています。ブランドは、会社と社員が在りたい姿を目指し行動に移す道標であり、目指す金融ビジネスの未来を示していくものです。2022年にパーパスを基盤としてブランドパーソナリティを定義し、ブランドガバナンス体制を再構築しました。グループ各社の経営層がコミットしながら、現場はブランド創りで連携し学び合い、ナレッジ共有も進める。この体制で今後もブランドを経営の中核にしっかりと位置付けていきます。 

組織や事業全体として (担当部門として)、対応する領域や範囲はどのように変わってきているでしょうか。

金融と社会の関わりやビジネスモデルが変化する中、「金融にとってのサステナビリティ」をMUFG変革のメッセージとして発信中です。グローバルな金融グループとして、社会に対する責任感や強い覚悟を示しています。例えば、MUFGは2050年までに投融資ポートフォリオからの温室効果ガス排出量をネットゼロとする「MUFGカーボンニュートラル宣言」を出しています。これはMUFG単独では実現できず、社会やお客様との対話を通じてサステナブルファイナンスの理解を広め、実現への道をたどるのです。これがMUFGのブランディングそのもので、社会に対する責務でもあります。また幅広い世代に向けたブックレット、「赤い球の冒険」「サステナブルしちゃう日。」という動画など、誰もが、様々な企業の商品サービスを使うことで、直接的・間接的に“社会を良くすること”に貢献しているという社会へのメッセージを易しく伝える工夫もしています。「MUFGが目指す、未来のサステナブルな社会」という楽しいイラスト展開も始めました。今後も、金融の役割をわかりやすく伝えるサステナブルブランディングの仕組みを強化します。 

想定を越える社会や人々の変化に対して、事業として、ブランドとしてどのように対応してきていらっしゃるでしょうか。

変化の速い時代に、あらゆるステークホルダーが課題を乗り越え、新たなステージへ進もうとする、その思いを叶える力になること、そのために全力を尽くしたい。これが私たちの存在意義を示したパーパス「世界が進むチカラになる。」であり、あらゆる事業とブランドの根底にあり続けます。パーパスのサブメッセージとして「お客様やパートナー」「地域や社会」「未来の世代」「MUFGの仲間」の「4つのチカラ」を掲げています。環境・社会課題の解決に向けて、新たなデジタルサービスの実現に向けて、MUFGの変革に向けて、社員のアクションがMUFGの在りたい姿=ブランドを創っていくことを目指しています。 
パーパスにより、ブランドの方向性は改めて明確になりました。一方で「我々はどこに向かいたいのか」社員の理解や意識をあわせ、一貫した世界観を強化し、これらが社員の誇りにもつながるように、様々なタッチポイントで表現していくことです。これはクリエイティブ展開だけではなく、スポーツ協賛、文化活動、環境や次世代支援等の社会貢献活動でも更にストーリー伝播していきます。 

社員の働き方や意識は、どのように変わったと感じているか。ワークライフバランス、効率性やエンゲージメント、社内コミュニケーションといった社内カルチャー、社員の価値観などに、どのような影響があり、それにどのように対応してきていらっしゃるでしょうか。

MUFGのカルチャー変革は「挑戦とスピード」を社員の行動パターンとして定着させることです。①働く環境の整備②マインドセット③挑戦機会の提供、という3つのプラットフォーム上で施策の展開と点検を行っています。これを例年グループ意識調査と、ブランドパーソナリティ‘=在りたい姿への変化を確認する独自のブランド調査で計測します。マインドセットの中核がパーパスの共鳴であり、全社共鳴セッションと、社長任命の「MUFG Way Boostメンバー」がパーパスの対話や体現者の社内外への見える化活動を進めています。挑戦機会は、新規事業創出プログラム、挑戦を促す人事制度、社員が企画参画する社会貢献活動など様々な活動フレームを揃えていますが、本業を通じて自己実現するワクワク感の醸成が課題です。 

パーパスや経営の理念、ビジョンなどの重要性が論じられていますが、それらを事業活動の中で、どのような形で活かしていらっしゃるでしょうか(実体化に向けてどのような取り組みをされているでしょうか)。

※問3にてご回答