We give our clients the confidence to make Iconic Moves
60

NEC

勝沼 潤 様
日本電気株式会社
コーポレートエグゼクティブ
チーフデザインオフィサー

Best Japan Brands 2024
ブランドリーダーズインタビュー

これまでにない変容を続ける環境の中で、ランクインしたリーディングカンパニーは今後の成長のためにどのようにその変化を捉え、対応しようとしているのか。各社のブランドリーダーが5つの質問に答えるインタビューシリーズ。

この1-2年を振り返ってみて、御社の事業やブランドにとってどのような年でしたでしょうか。

2023年は2025中期経営計画の折り返し地点に当たり、Purposeの実現に向けた変革の年として、事業セグメントを、デジタルトランスフォーメーション(DX)をドライバーとする「ITサービス」と、融合が急速に進んでいる宇宙、防衛、通信を対象とした「社会インフラ」を中心に、分かりやすい形態に再編成しました。また、AI創薬を含むヘルスケア・ライフサイエンス分野などの新規事業開発、コアDX事業の中核である「NEC Digital Platform」を推進しています。昨夏からは日本語処理能力に長けたNEC開発の大規模言語モデルの提供を開始しています。 
ブランドの観点からは、市場・顧客・社員・未来の仲間に向けて、NECの変革を伝える様々な施策に取り組んできました。 

組織や事業全体として (担当部門として)、対応する領域や範囲はどのように変わってきているでしょうか。

経営戦略にアラインしたブランド戦略を推進するために、2022年度にコーポレートブランディング部を新設し、コーポレートデザイン部とコーポレートコミュニケーション部とともに、ブランディング&メッセージ機能を経営企画部門の中に位置づけました。中でも注力している活動は、メッセージングからビジュアライズまで、一貫性をもったCEO森田の発信やIR関連の発信など、企業としての姿勢を打ち出していく、コーポレートのブランディングです。また、ビジョン構築からサービスデザイン開発などの事業活動や、人事と密に連携しながら、人的資本経営の推進や新たな社内カルチャーづくりのための様々なインターナルブランディングなど、幅広い企業活動に関わるようになりました。 

想定を越える社会や人々の変化に対して、事業として、ブランドとしてどのように対応してきていらっしゃるでしょうか。

NECは「社会価値創造企業」として、世界が直面している社会課題に取り組んでいますが、それは複雑で広範にわたり、企業単独ではとうてい解決できません。その中で、率先してあるべき未来の姿を提示し、共感する仲間を募っていくには、信頼感の醸成が重要です。パートナーや社会の信頼を獲得するために、NECは革新的な技術を正しく使い、社会に実装できる企業であるということを、しっかり発信していきたいと考えています。

社員の働き方や意識は、どのように変わったと感じているか。ワークライフバランス、効率性やエンゲージメント、社内コミュニケーションといった社内カルチャー、社員の価値観などに、どのような影響があり、それにどのように対応してきていらっしゃるでしょうか。

ブランディングにおいても、NECグループとしての一貫性と事業ごとの独自性のバランスが重要であり、一貫性を保つという点で「NEC Way」の進化・浸透が重要な役割を果たしています。「NEC Way」とは、NECグループが共通で持つ価値観であり行動の原点です。時代にあわせて少しずつ進化させながら、CEO森田と社員が直接コミュニケーションするグローバルでのタウンホールミーティングや、創立記念日に実施する「NEC Way Day」やその後のカスケード施策において、NECグループ全体に浸透させています。その成果はエンゲージメントスコアにも確実に表れており、同じベクトルに向かっていることを実感しています。 

パーパスや経営の理念、ビジョンなどの重要性が論じられていますが、それらを事業活動の中で、どのような形で活かしていらっしゃるでしょうか(実体化に向けてどのような取り組みをされているでしょうか)。

NECは「安全・安心・公平・効率 という社会価値を創造し、誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会の実現を目指します」というPurposeを掲げ、未来のあるべき姿を「NEC 2030VISION」として描き、共感してくれる仲間を募り、未来の実現に向け、社会実装を進めています。 
NECグループ内のシンクタンクを中心に、政府、アカデミア、国際機関、NPO、NGOなどの外部機関との連携を深め、様々な分野の有識者による活発な議論を重ねながら提言を行っています。そこから出てきたThought をNECの新しい事業につなげるなど、多くの事業活動にいかしています。