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Nissan

増田 泰久 様
日産自動車株式会社
日本マーケティング本部 ディビジョンゼネラルマネージャー

Best Japan Brands 2024
ブランドリーダーズインタビュー

これまでにない変容を続ける環境の中で、ランクインしたリーディングカンパニーは今後の成長のためにどのようにその変化を捉え、対応しようとしているのか。各社のブランドリーダーが5つの質問に答えるインタビューシリーズ。

この1-2年を振り返ってみて、御社の事業やブランドにとってどのような年でしたでしょうか。

この1-2年は日産にとってまさにターニングポイントと言える年でした。2015年に「技術の日産が、人生を面白くする」キャンペーンを開始し、電気自動車と自動運転の普及に取り組んできました。2022年は日産リーフ、アリアに次いでサクラを投入。EVの選択肢を広げたことで、日本のEV市場が活性化しました。また、自動運転技術への認識も明らかにポジティブに変わってきたと思います。8年前からイノベーションに取り組んできた我々としては、まさに時代の転換期に直面している想いです。 

組織や事業全体として (担当部門として)、対応する領域や範囲はどのように変わってきているでしょうか。

マーケティングの意味合いが格段に広がってきたと感じています。 
コーポレートパーパスを伝えるのは、かつては外向けのコミュニケーションの役割でしたが、今では生産部門やR&D部門をはじめ販売会社も含めた全従業員がパーパスに込められた想いを共有し、行動に結びつけるためのエンゲージメント向上が大切になってきました。 
また、お客さまとの心情的なつながりを作り、共感頂くことがこれまで以上に大切になっています。小学5年生の社会科の授業に教材を提供してEVを紹介する取り組みやワールドカップバレー日本チームのサポートなどを通じて、生活者にご自身の言葉でNISSANを語っていただく戦略的PRを実施しています。 

想定を越える社会や人々の変化に対して、事業として、ブランドとしてどのように対応してきていらっしゃるでしょうか。

コロナ禍を経て生活者の購買行動が大きく変化し、効率性が重視されるようになっています。こうした変化に対応して、スピーディに購入できるオールインワンのパッケージ商品「おまとめプラン」の提供や、ちょっと借りてサッと返せるカーシェアリングサービスの「NISSAN e-シェアモビ」などの取り組みを行ってきました。 
また、効率性重視の一方で、リアルな体験へのニーズも高まる中、最先端のイノベーションやクルマを楽しく体験できる場の提供を増やしています。 

社員の働き方や意識は、どのように変わったと感じているか。ワークライフバランス、効率性やエンゲージメント、社内コミュニケーションといった社内カルチャー、社員の価値観などに、どのような影響があり、それにどのように対応してきていらっしゃるでしょうか。

多様化するお客様のニーズに対応するために、組織のダイバーシティ&インクルージョンが重要だと考え、子育てや介護に携わる人がより働きやすくなる環境づくりを推進しています。リモートとフィジカルの融合を前提に、オフィス環境の整備についても試行錯誤しているところです。 
また、従業員一人ひとりの力を最大限に引き出すために、リーダー層の意識改革も必要です。全世界のクロスファンクショナルチームが1年以上かけて日産における新たなリーダーシップのあり方を「Nissan New Leadership Way」として策定し、組織やマインドセットの変革に挑戦しています。 

パーパスや経営の理念、ビジョンなどの重要性が論じられていますが、それらを事業活動の中で、どのような形で活かしていらっしゃるでしょうか(実体化に向けてどのような取り組みをされているでしょうか)。

日産自動車は2023年12月26日に創立90周年を迎えました。これを機に、社内外に向けたセレモニーを通じて、コーポレートパーパスである「人々の生活を豊かに。イノベーションをドライブし続ける。」を社外へ発信するとともに、社内で働く従業員にとっても改めて深く理解する機会となりました。 
JAPAN MOBILITY SHOW 2023では、人気オンラインゲーム「Fortnite(フォートナイト)」とのコラボによる動画で未来のモビリティライフを表現し、来場のお客様にWOW体験を提供しました。 
90周年を記念する活動は2024年12月26日まで続きます。3月に東京で初開催となるフォーミュラEでも、日産チームの活躍と共にEVのワクワクを感じていただけることを願っています。