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Ricoh

吉川 明子 様
株式会社リコー
コミュニケーション戦略センター 所長

Best Japan Brands 2024
ブランドリーダーズインタビュー

これまでにない変容を続ける環境の中で、ランクインしたリーディングカンパニーは今後の成長のためにどのようにその変化を捉え、対応しようとしているのか。各社のブランドリーダーが5つの質問に答えるインタビューシリーズ。

この1-2年を振り返ってみて、御社の事業やブランドにとってどのような年でしたでしょうか。

コロナ禍を経て、人々の価値観が一変し、働き方も多様化。“はたらく”をドメインとする当社では、これを追い風と捉えOAメーカーからデジタルサービスの会社への変革を推し進めました。 
昨年4月から新社長のもと中期経営戦略がスタート。デジタルサービスの会社として着実に成果を生み出す“実行”の3年間と位置付け、変革を加速しています。それを実行するのは、社員一人ひとりにほかならず、社員を一つにまとめ、士気を高めていくことが不可欠。そこで企業理念である「リコーウェイ」を改定し「“はたらく”に歓びを」を「使命と目指す姿」に据えました。この実現に向けてグローバルの社員の求心力を高め、“実行”の3年間をドライブしていきます。 

組織や事業全体として (担当部門として)、対応する領域や範囲はどのように変わってきているでしょうか。

デジタルサービスの会社への変革を山下会長は「第二の創業」の覚悟で臨むと語っています。変革に向けた戦略も社員が腹落ちできていなかったら絵に描いた餅。社員のエンゲージメントは、経営において重要なものと認識しており、その意味でもコミュニケーションの重要性はますます大きくなっています。 
社長直下のコミュニケーション戦略センターがブランド・コミュニケーション戦略策定からグループへの展開を一気通貫に担い、経営企画や人事、ESG、デジタル戦略等の部門と連携して、企業変革と一体となったブランディングを進めています。 

想定を越える社会や人々の変化に対して、事業として、ブランドとしてどのように対応してきていらっしゃるでしょうか。

「ESGと事業成長の同軸化」を意識しています。Ricohのドメインは「働く人」にあり、その悩みや課題解決が地球規模の社会課題の解決につながると考えています。そこで重要なのは、社員一人ひとりが自身の言葉で業務と社会とのつながりを語れる“自分事化”。経営陣とのタウンホールミーティングや動画ニュース等、様々なチャネルを通じ、社員の理解浸透と実践を促しています。社外に対してもブーメラン効果を狙い積極的に発信。昨年11月、ニューヨークで開催された「Reuters NEXT 2023」では、山下会長が「社員をESGの推進者にするには」と題し基調講演を実施。グローバルに向けて、持続可能な社会づくりへの貢献という強い意志を示しました。こうした施策を社内コミュニケーションにも活用し、社員の誇り、働きがい向上につなげていきたいですね。 

社員の働き方や意識は、どのように変わったと感じているか。ワークライフバランス、効率性やエンゲージメント、社内コミュニケーションといった社内カルチャー、社員の価値観などに、どのような影響があり、それにどのように対応してきていらっしゃるでしょうか。

理念や変革への社員の理解は進み、意識も変わってきていると感じています。これからはいかに “実行”につなげるか。デジタルサービスによって人々の生み出す力(創造性)を支え、“はたらく“を歓びに変えていくこと。この実現に向けたストーリーをファクトに基づいてコミュニケーションしていきます。何のために挑戦するのか、背景にある”想い“を届けていくこと。それが、社員はもちろん社外からの共感を呼び、賛同者を増やすことになりますし、一企業だけでは成し遂げられない地球規模の課題に一緒に取り組むことが可能になる。リコーが思い描く持続可能な企業および社会の発展につながっていくと信じています。

パーパスや経営の理念、ビジョンなどの重要性が論じられていますが、それらを事業活動の中で、どのような形で活かしていらっしゃるでしょうか(実体化に向けてどのような取り組みをされているでしょうか)。

グローバルに広がるネットワーク、各地域のお客様に寄り添う力がRicohの強み。お客様に寄り添い、かゆいところに手が届く血の通ったサービスを重ねていくことが信頼となり、その積み重ねがブランドをつくっていきます。つまり、社員一人ひとりがブランドのアンバサダーなのです。Ricohに対する信頼が高まると、社員にとっても誇りとなり、エンゲージメント向上につながる。すると、一層高いサービスの提供が可能となり、さらなる信頼獲得につながる。そうした好循環を生み出せるよう社内外のコミュニケーションを展開していきたい。 
毎年2月の創業記念イベント、今年のテーマは「Winning Spirit」です。グローバル社員一丸となって、成功を勝ち取るという機運を高め「“実行”の3年間」をドライブしていきます。