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Ajinomoto

森島 千佳 様
味の素株式会社
執行役常務
サステナビリティ・コミュニケーション担当

Best Japan Brands 2025
ブランドリーダーズインタビュー

これまでにない変容を続ける環境の中で、ランクインしたリーディングカンパニーは今後の成長のためにどのようにその変化を捉え、対応しようとしているのか。 各社のブランドリーダーが 3つの質問に答えるインタビューシリーズ。

問1. どんな1年であったか:

この1-2年を振り返ってみて、貴社の事業やブランドにとってどのような年でしたでしょうか?
「ひと言」で表現するとすれば、どんな言葉で表すことができるでしょうか。その「ひと言」の背景や意味合いなどもお聞かせください

パーパスドリブンなコーポレートブランディングを進化させた年といえます。2023年春に進化させた新パーパス実現にむけてコーポレートブランディングの大きな方針を定めました。従来のB2Cの食品事業中心から、B2B・バイオ&ファインケミカル事業も含めて全社で未来志向をもち取り組む方針としました。コーポレートブランディング活動はコミュニケーション部門やマーケティング部門だけのマターではなく経営から従業員まで全社一丸となって取り組むこと、その対象も従業員に始まり、顧客・生活者に留まらず投資家・企業評価機関・アカデミア・行政・地域社会・地球環境等マルチステークホルダーとしました。「ER-PR-IR-SusR(Employee/Public/Investor/Sustainability Relations)の連携」がキーワードです。

問2. Change – 変化と対応:

この1-2年において、様々な変化があったものと思われますが、貴社にとっての主な変化とその対応について、お考えをお聞かせください

味の素グループは事業を通じて社会課題を解決し経済価値を創出するASV経営のもと、サステナビリティ推進を経営の根幹に位置づけ推進していますが、近年はグローバルレベルでサステナビリティの取り組みが顕著に加速、企業への期待値や要請が大きく高まってきています。そして生活者の商品選択においても商品の機能以上にその企業やブランドの志や理念を重視する傾向が高まってきています。
味の素グループではすべての価値創造の起点は従業員であり、その従業員がパーパスに共感し自分事化すること、味の素グループの価値創造における競争力の源泉である「アミノサイエンス®︎」を自分の仕事と関連付けて理解することをブランディング活動の基盤と考え、グローバル全従業員対象にパーパスの共感推進活動を昨年から本格スタートさせました。全従業員が味の素グループの「パーパス」や「アミノサイエンス®︎」を深く理解し、誇りをもって各々の業務に取り組むとともに各人が接するステークホルダーと対話していくことが全社型・マルチステークホルダー対応のコーポレートブランディング活動の基本活動になると考えています。

問3. Challenge – 未来への課題:

今後 (これからの1-2年で)、貴社の事業やブランドにとってどのようなこと(変化)が起きると考えていますか?その変化による課題に対して、どのような準備が必要だとお考えでしょうか

SDGsやサステナビリティの取り組みにおいては1社でできることには限界があり、これからは他社との協働やエコシステム構築でより大きなインパクトを創出していくことが重要になってくるでしょう。志をあわせられる仲間をつくるためにも、そして様々なステークホルダーに応援してもらうためにも、共感を呼び広く共振するコミュニケーションを追求していくことが重要だと考えます。
また世界の分断がより進む可能性を孕むなか、食の安全保障などもそうですがグローバル一律からローカル・エリアでの取り組みがより重要になってくると思います。グローバルに戦略を考えローカルに行動するグローカリゼーションが一層求められるでしょう。コーポレートブランディングにおいてもグローバル視点で戦略を考え価値提供の骨太なストーリー(ナラティブ)をGHQが示し、それをベースに各エリアがそのエリアに適した形でアダプテーションして効果的なコミュニケーションを実行していくことを準備・追求していきたいと考えています。