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ANA

植野 素明 様
全日本空輸株式会社
執行役員 CX推進室副室長 CX戦略部長

Best Japan Brands 2025
ブランドリーダーズインタビュー

これまでにない変容を続ける環境の中で、ランクインしたリーディングカンパニーは今後の成長のためにどのようにその変化を捉え、対応しようとしているのか。 各社のブランドリーダーが 3つの質問に答えるインタビューシリーズ。

問1. どんな1年であったか:

この1-2年を振り返ってみて、貴社の事業やブランドにとってどのような年でしたでしょうか?
「ひと言」で表現するとすれば、どんな言葉で表すことができるでしょうか。その「ひと言」の背景や意味合いなどもお聞かせください

ひと言で表現すると「お客様にこだわった」1年でした。コロナ禍における低迷を乗り越え、インバウンド需要とビジネス目的での渡航の復活に対応するべく、お客様とのあらゆるタッチポイントにおいて着実にブランド強化に取り組んできた結果、世界の航空格付け会社SKYTRAX社の最高評価「5スター」を12年連続で獲得することができました。ANAというブランドを支える一人ひとりの日々の努力が、大きな成果を生み出したと実感しています。航空会社のブランドは安全を基盤に、社会と企業をつなぐ重要な要素だと考えています。お客様視点での顧客エンゲージメントの向上をベースに新規顧客の獲得・リピーター化に全力で取り組んでいます。

問2. Change – 変化と対応:

この1-2年において、様々な変化があったものと思われますが、貴社にとっての主な変化とその対応について、お考えをお聞かせください

ANAグループの新経営ビジョン「ワクワクで満たされる世界を」の実現に向けて、徹底したお客様視点で、搭乗前から搭乗後までのすべてのブランド体験価値の向上に継続して取り組んでいます。お客様の信頼に応えているかどうかの指標としてNPSスコアをトラッキングし、必要な改善をスピーディに行うことで顧客体験を向上させていく仕組みも定着しています。加えて、DXを通じた顧客体感価値の向上にも力を入れています。旅の始まりから終わりまですべてをスマホなどのモバイルデバイスがお客様をサポートする新しいサービスモデル「ANA Smart Travel」がその一例です。
それから、社内では2年前より各職場の変革リーダーを中心に付加価値創造に継続的に磨きをかけ、ANAの価値創造サイクルを循環させる取り組みを行っています。これもグループ全体のブランド価値向上に繋がるものだと考えています。

問3. Challenge – 未来への課題:

今後 (これからの1-2年で)、貴社の事業やブランドにとってどのようなこと(変化)が起きると考えていますか?その変化による課題に対して、どのような準備が必要だとお考えでしょうか

これまでANAが培ってきたお客様へのリアルなタッチポイントにおけるサービスへのこだわりに加え、DXを通じたブランド体験価値の向上が課題だと感じています。リアルとデジタルを融合させ、ライフスタイルの変化に対応した新しいサービスやプロダクトを提供することで、お客様にANAを利用してよかったと思っていただきたい。リアルとデジタルの融合の中心となるのは人財です。人材不足の問題が顕在化しているのも事実であり、良い人材に選ばれるグループ企業であり続けることができるかというのはポイントになっていくと思います。社員が一生懸命働くことがお客様の喜びに直結することを実感できること、社員のEXとお客様に対してのCXの循環を強化することがANAグループの成長の基盤になると考えています。