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Asahi

ドラホミラ・マンディコヴァ 様
アサヒグループホールディングス株式会社
Group Chief Sustainability Officer

Best Japan Brands 2025
ブランドリーダーズインタビュー

これまでにない変容を続ける環境の中で、ランクインしたリーディングカンパニーは今後の成長のためにどのようにその変化を捉え、対応しようとしているのか。 各社のブランドリーダーが 3つの質問に答えるインタビューシリーズ。

問1. どんな1年であったか:

この1-2年を振り返ってみて、貴社の事業やブランドにとってどのような年でしたでしょうか?
「ひと言」で表現するとすれば、どんな言葉で表すことができるでしょうか。その「ひと言」の背景や意味合いなどもお聞かせください

ひと言で表現すると「サンライズ」でしょうか。非常に重要かつエキサイティングな一年でした。Asahi Groupは、私たち経営陣とガバナンスの改革によって真にグローバルな「One Asahi」へと変貌を遂げつつあります。今後はグループ全体のさらなる連携が可能となり、素晴らしいイノベーションとアイデアを実現するより良い方法が生まれるでしょう。
また、Asahi Groupの認知度をグローバルに高め、多様なステークホルダーとの関係性を強化するためにグループとしてのCI(コーポレートアイデンティティ)を再定義しました。30年以上愛され続けている当社のアサヒマークに「サンライズ・アーク」をあしらった新グループコーポレートロゴマークを発表。併せて、新コーポレートステートメント“Make the world shine”を導入しました。
このステートメントを決定するまでに、私たちはブランドエンゲージメントに多くの時間を費やし、品質や信頼性など、Asahi Group全体で有する強みを再認識しました。それらをステートメントや「サンライズ・アーク」を通して明確にし、コーポレートブランドをより強化すべきであると考えたのです。私たちのビジネスは、昇る太陽のように世界を輝かせるために何を為すかにすべてがかかっています。

問2. Change – 変化と対応:

この1-2年において、様々な変化があったものと思われますが、貴社にとっての主な変化とその対応について、お考えをお聞かせください

近年の変化として、Asahi Groupの考え方に影響を与えた2つの大きな社会的なトレンドに「健康とウェルネス」と「ジェンダーの多様性と包括性」が挙げられます。
健康とウェルネスに対する生活者の関心は大幅に高まっていますが、当社はお客様にそのための情報と製品、より多くのノンアルコール飲料を含む多様なアルコール度数の中から商品を選べる選択肢を提供することで貢献できます。私たちは、ノンアルコール飲料に対して社会が抱く負の意識を打破し、ノンアルコールビールというカテゴリー全体を強化するために製法を刷新。通常のビールに匹敵するほど美味しいノンアルコールビールを提供するキャンペーンを始めました。アルコールを飲む、飲まないに関わらず、人々が一緒に時間を過ごすことを楽しむようになることに期待しています。
ジェンダーの多様性と包括性に関して、私が業界に入った当時は、明らかに男性優位でした。ビールの主なターゲットは男性であり、経営陣もほとんどが男性でした。しかし、もちろん社会は男性だけではありませんし、女性の購買力も高まっています。成功を収めるためには、女性を消費者層として取り込む必要があることは明らかでした。
それが、私たちが変化するためのビジネス上の根拠となりました。なぜなら、飲むのは男性だけのグループではなく、人々は一緒に飲むからです。多様な市場を理解するには、社内にも多様性が必要です。そこで私たちは、異なる職務や国籍、視点を持つ人々で構成される社内チームを作り、一緒にこのテーマに取り組んでもらいました。これが新たなソリューションにつながったのです。
その達成には時間がかかりました。ビジネスを、より多様で包括的なものに進化させるのは容易なことではありません。なぜそうするのかを明確にし、具体的に計画を立てて取り組む必要があります。障壁が何であり、どう克服するのかを理解できる環境も必要です。そうして初めて、多様性と包括性について考える段階から、それを実践する段階へと事業を進めることができたのです。

問3. Challenge – 未来への課題:

今後 (これからの1-2年で)、貴社の事業やブランドにとってどのようなこと(変化)が起きると考えていますか?その変化による課題に対して、どのような準備が必要だとお考えでしょうか

私が率いるサステナビリティの分野では、脱炭素化とそのためのパートナーシップおよびソリューションの構築を最優先事項と捉え、世界中のサステナビリティデータを収集するためのデジタルプラットフォームを構築しています。これによって長期的な環境問題を理解し、より責任あるビジネス上の意思決定を行うことが可能になるでしょう。
AIに象徴されるデジタルも、戦略の重要な一部となるでしょう。デジタルの導入についてはリージョン毎にまだ濃淡がありますので、その標準化も推進しようとしています。Asahi Groupが真の輝きを放つのは、まさにこれからです。