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Mazda

青山 裕大 様
マツダ株式会社
取締役専務執行役員兼CCEO

Best Japan Brands 2025
ブランドリーダーズインタビュー

これまでにない変容を続ける環境の中で、ランクインしたリーディングカンパニーは今後の成長のためにどのようにその変化を捉え、対応しようとしているのか。 各社のブランドリーダーが 3つの質問に答えるインタビューシリーズ。

問1. どんな1年であったか:

この1-2年を振り返ってみて、貴社の事業やブランドにとってどのような年でしたでしょうか?
「ひと言」で表現するとすれば、どんな言葉で表すことができるでしょうか。その「ひと言」の背景や意味合いなどもお聞かせください

米国で10年来のブランド価値経営が奏功し、グローバルにおいてプレミアムなブランド体験が出来る新世代店舗の導入が加速しています。フラッグシップ車も好評で、単価、台数がそれぞれ成長し、質と量と両立できたことは大きな成果でした。 
一方アジアでは、中国、日本共に思うように伸ばすことが出来ませんでした。その要因は、旧来型のマーケティング戦略、DXへの遅れなど複合的ですが、短期ではなく中長期的に抜本的な変革が必要です。今年いっぱいは、戦略の再構築のフェーズと考え、北米のベストプラクティスを念頭に、情熱を持ってブランド価値経営を加速させていきます。 

問2. Change – 変化と対応:

この1-2年において、様々な変化があったものと思われますが、貴社にとっての主な変化とその対応について、お考えをお聞かせください

いま、自動車ビジネスは大きな岐路に立っています。地政学的に見ても、正確な未来予測を立て、そこに立脚した戦略を構築することは困難な時代です。私は、どのような状況が来ても柔軟性を持って対応できるレジリエンスを高めることに、自分たちの取り組みを注力すべきだと考えています。 
Mazdaは、クリーンディーゼルからHV、PHV、EVなどの多様なソリューションをご提供し、お客様の選択の自由を担保する「マルチソリューション戦略」と、投資を抑え外部とのパートナーシップで最適なソリューションを創出する「ライトアセット戦略」でレジリエンスを高めていきます。どんな変化に対しても揺らぐことのないよう、一気呵成ではなくひとつひとつ地道に取り組んでいます。 
一方、ホームカントリーである日本、アジアでのブランド再構築は喫緊の課題です。北米のベストプラクティスを参考にしながら、ポートフォリオの再構築やDX化の推進、新しいブランド体験ができる新世代店舗づくりを加速させていきます。 

問3. Challenge – 未来への課題:

今後 (これからの1-2年で)、貴社の事業やブランドにとってどのようなこと(変化)が起きると考えていますか?その変化による課題に対して、どのような準備が必要だとお考えでしょうか

電動化の流れは今後も続くでしょう。それは単にパワーソースの変化とコスト競争ではなく、ソフトウェアの更新によってクルマの性能がどんどんアップグレードされるSDVへシフトを促し、新車販売に軸足を置く我々のビジネスモデルさえ変わっていくでしょう。そのときMazdaはどうするのか、解はまだ見つかっていませんが、どんな時代になってもブランド価値経営の重要性は変わりません。 
ブランドは最終的には「人」ですが、ブランドを属人化するのではなく組織化することがレジリエンスを高めると思っています。言語や文化が違っても永続できる仕組み作り、ガバナンスの確立など、人の新陳代謝によって揺らがないブランドづくりを追求し続けたいと考えています。人の多様性とブランドの一貫性の両立は難しい課題ですが、惜しまず時間をかけて話しあう過程を通じて、多様性が生み出す能力を確保しながらみんなが同じ方向を向いていける組織を作り続けていくことができると信じています。