We give our clients the confidence to make Iconic Moves
72

meiji

古田 純 様
明治ホールディングス株式会社
取締役専務執行役員(Chief Digital Officer)

Best Japan Brands 2025
ブランドリーダーズインタビュー

これまでにない変容を続ける環境の中で、ランクインしたリーディングカンパニーは今後の成長のためにどのようにその変化を捉え、対応しようとしているのか。 各社のブランドリーダーが 3つの質問に答えるインタビューシリーズ。

問1. どんな1年であったか:

この1-2年を振り返ってみて、貴社の事業やブランドにとってどのような年でしたでしょうか?
「ひと言」で表現するとすれば、どんな言葉で表すことができるでしょうか。その「ひと言」の背景や意味合いなどもお聞かせください

ひと言で表現するなら「進」。事業もブランドも一歩前進、新たなステージに進むことができた年でした。 
まず、これまで課題となっていたコーポレートブランドの方向性について検討を重ねた結果、「人・社会・地球のすべてが健康なより良い未来づくりのために活動するmeiji」と位置付け、今年の1月より新しいコーポレートCMの発信を開始しました。 
事業においては、原価の高騰に伴い値上げを余儀なくされましたが、我々食品業界にとって、30年間続いたデフレからようやく脱却の兆しが見え、コストアップに見合った適正価格に改訂できるようになったことは、大きな前進でした。 

問2. Change – 変化と対応:

この1-2年において、様々な変化があったものと思われますが、貴社にとっての主な変化とその対応について、お考えをお聞かせください

ESGの取り組みにおいて、明治グループの評価は着実に向上してきたと言えます。経営指標ROESGⓇ※を導入した成果もでて、2022年から3年連続でMSCI ESG Leaders IndexesのESG評価に優れた企業に選定されたほか、「サステナビリティ・トランスフォーメーション銘柄(SX銘柄)2024」にも選ばれました。 
一方、事業業績は思うように伸ばせず、投資家からは厳しい評価を受けました。 
食品事業では、中国市場において現地大手企業の台頭により差別化が難しい生乳やヨーグルトで苦戦したことや、国内事業においても今後の成長戦略を十分伝えることができなかったことが一因だと考えています。 
医薬品事業では新型コロナウイルス感染症に対する次世代mRNAワクチンの製造販売承認を世界で初めて取得し製造を開始しましたが、売り上げは当初の想定には大きく及びませんでした。 

※「ROESG」は一橋大学教授・伊藤邦雄氏が開発した経営指標で、同氏の商標です 

問3. Challenge – 未来への課題:

今後 (これからの1-2年で)、貴社の事業やブランドにとってどのようなこと(変化)が起きると考えていますか?その変化による課題に対して、どのような準備が必要だとお考えでしょうか

「人・社会・地球のすべてが健康であるより良い未来の実現」にむけて活動するmeijiとしての訴求を継続していく一方で、meijiらしい特徴を出していくことも模索しています。とりわけ「地球の健康=サステナビリティ」に関わる取り組みを生活者に訴求していきたい。カカオ原産地での森林減少や児童労働問題、持続可能な酪農乳業など、直面する喫緊の社会課題には積極的に取り組んでいきます。 
ブランド力向上には、やはり社員のエンゲージメントスコアを上げることも重要です。近年、在宅勤務が定着したことで、特に子育て中の社員には非常に働きやすい環境になったと認識しています。今後は、しばらく手をつけていなかったオフィスや社員食堂のリニューアルを考えています。オフィスに来るのが楽しみになるようなワクワクする環境で新たなアイデアが次々と生まれ、業績も向上、そして社員のモチベーションがさらに上がる。このような好循環が生まれる執務環境を創りたいですね。