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Ricoh

吉川 明子 様
株式会社リコー
コミュニケーション戦略センター 所長

Best Japan Brands 2025
ブランドリーダーズインタビュー

これまでにない変容を続ける環境の中で、ランクインしたリーディングカンパニーは今後の成長のためにどのようにその変化を捉え、対応しようとしているのか。 各社のブランドリーダーが 3つの質問に答えるインタビューシリーズ。

問1. どんな1年であったか:

この1-2年を振り返ってみて、貴社の事業やブランドにとってどのような年でしたでしょうか?
「ひと言」で表現するとすれば、どんな言葉で表すことができるでしょうか。その「ひと言」の背景や意味合いなどもお聞かせください

「脱皮」。デジタルサービスの会社への変革を宣言した当社にとって、成長への「脱皮」に向けた基礎固めの1年でした。
コロナ禍を経て人々の価値観や働き方が一変し、AIをはじめとする技術が著しく進歩する中で、リコーは従来のオフィスに限らずはたらく人がいるあらゆる場所や空間を「ワークプレイス」ととらえ、「ワークプレイスサービスプロバイダー」として新たな価値提供に取り組んでいます。デジタルの力で課題を解決し、はたらく人の創造力の発揮を支援していきたい。これを実現すべく、リコーの強みを生かした次なる成長領域を明確にし、事業の選択と集中を推進するとともに、成熟領域から成長領域へリソースをシフトしてきました。組織やプロセス等のハード面だけでなく、デジタル人材の育成・強化を目的とした社内教育を通じ、社員のマインド・スキルセット等、ソフト面の変革にも取り組んでいます。

問2. Change – 変化と対応:

この1-2年において、様々な変化があったものと思われますが、貴社にとっての主な変化とその対応について、お考えをお聞かせください

全社的観点では、「企業価値向上プロジェクト」を進め、構造改革をはじめとした取り組みの背景および進捗を積極的に開示する等、ステークホルダーとの丁寧なコミュニケーションを徹底。
ブランド観点では、2023年に企業理念であるリコーウェイを見直し「使命と目指す姿」を「“はたらく”に歓びを」に改定。2024年には、「ワークプレイスサービスプロバイダー」を今中経期間において訴求すべき姿に据え、コーポレートブランド体系及びメッセージの整理とともに、ブランドガイドラインの見直しを進めました。ここで留意したのは、社員の巻き込み、自分ごと化です。本社側で一方的に決めず、海外・現場社員も巻き込みながら経営陣と議論を重ねました。さらに社外広告や、メディアを通じた情報発信を社内活用することで、社員の士気向上という相乗効果を狙っています。変革を実践するのは私たち社員であり、戦略に対する納得・腹落ち感を醸成し、参画意識を高めることが成長に繋がる。こうした考えから社員一人ひとりが「“はたらく”に歓びを」への理解を深め実践できるよう、トップダウン・ボトムアップの両面からメディアミックスによるコミュニケーション施策を展開しています。

問3. Challenge – 未来への課題:

今後 (これからの1-2年で)、貴社の事業やブランドにとってどのようなこと(変化)が起きると考えていますか?その変化による課題に対して、どのような準備が必要だとお考えでしょうか

変化対応や進化がこれまで以上に求められる一方で、変わらず大切にしていくべきことがあります。それは、創業の理念である「三愛精神」、そして「はたらく人に寄り添う」こと。“はたらく“をドメインとして、長年はたらく人に寄り添ってきたことはリコーの強みであり、どんな変化があろうとも守り続けていくべきことです。この強い信念のもと、社員が主役となって自律的に挑戦し続けることが成長には不可欠だと考えています。ブランドを形づくるのは社員に他なりません。このため、経営陣が社員の質問にライブで回答するグローバルタウンホールや、社員と社長との対談記事等、顔の見えるオープンなコミュニケーションで全社戦略、企業理念への理解浸透を図っています。さらに実践につながるよう、若手社員の企画によるブランドワークショップや、社員DJによるラジオ番組等、ボトムアップ型施策を展開。今後も、こうしたトップダウン・ボトムアップのアプローチにより、社員の帰属意識・士気を高め、企業価値向上につなげていきたいと考えています。