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Shiseido

岡部 義昭 様
株式会社 資生堂
チーフマーケティング&イノベーションオフィサー

Best Japan Brands 2025
ブランドリーダーズインタビュー

これまでにない変容を続ける環境の中で、ランクインしたリーディングカンパニーは今後の成長のためにどのようにその変化を捉え、対応しようとしているのか。 各社のブランドリーダーが 3つの質問に答えるインタビューシリーズ。

問1. どんな1年であったか:

この1-2年を振り返ってみて、貴社の事業やブランドにとってどのような年でしたでしょうか?
「ひと言」で表現するとすれば、どんな言葉で表すことができるでしょうか。その「ひと言」の背景や意味合いなどもお聞かせください

ひと言で言うと「原点回帰」。コロナ禍や中国の消費動向の変化などビジネス環境の変化をうけ、昨年11月に今後2年間で取り組む基盤構築のためのアクションプランを発表しました。試行錯誤の中で、原点に立ち戻り、私たちの資産であるプロダクトブランドを大事に育成していくことに尽きるという結論に至りました。私たちが目指すのは、美を通じて人の生き方や幸せの具現化を応援すること、イノベーションで社会課題を解決すること、日本の文化的価値(Japanese Luxury)を発信すること。これが資生堂の「原点」であり、150年以上続いてきた証だと考えます。

問2. Change – 変化と対応:

この1-2年において、様々な変化があったものと思われますが、貴社にとっての主な変化とその対応について、お考えをお聞かせください

社会の変化の中で最も影響が大きいのは、サスティナビリティの観点による原料への規制強化ですが、各国の動向をしっかりモニタリングすることで先手先手の対応を打ってきました。
生活者の変化としては、「エイジングのあり方」が多様化しています。アンチエイジングだけではなく、日々のお手入れでエイジングに対応する予防ケアニーズもあれば、そのままの自分を受け入れたい方もおり捉え方は人それぞれ。いわば「マイエイジング」の時代です。そうした時代の変化に合わせ、加齢に“抗う”のではなく“向き合う”新しいエイジングのあり方を発信していくことが資生堂の役割だと思っています。

問3. Challenge – 未来への課題:

今後 (これからの1-2年で)、貴社の事業やブランドにとってどのようなこと(変化)が起きると考えていますか?その変化による課題に対して、どのような準備が必要だとお考えでしょうか

コロナ禍でメイクに対する意識に変化があり、出来るだけ素肌を活かしたいという人たちが増えました。こうした変化に着目してローンチした、美容液の中にファンデーション成分を閉じ込めた「ファンデ美容液」は、多くの賞をいただくヒットとなり、新たなカテゴリーをつくりました。
新しい価値を生み出していくためには、研究員と生活者がつながることがキーとなると考えており、共創する場として研究開発施設のリニューアルを1月に行いました。今後も、資生堂の強みである高い技術力をダイレクトにブランド価値へと転換させ、同質化した市場からの脱却と、新しい化粧文化、新しい市場の創造をめざします。