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Yamaha

山浦 敦 様
ヤマハ株式会社
取締役 代表執行役社長

Best Japan Brands 2025
ブランドリーダーズインタビュー

これまでにない変容を続ける環境の中で、ランクインしたリーディングカンパニーは今後の成長のためにどのようにその変化を捉え、対応しようとしているのか。 各社のブランドリーダーが 3つの質問に答えるインタビューシリーズ。

問1. どんな1年であったか:

この1-2年を振り返ってみて、貴社の事業やブランドにとってどのような年でしたでしょうか?
「ひと言」で表現するとすれば、どんな言葉で表すことができるでしょうか。その「ひと言」の背景や意味合いなどもお聞かせください

私のミッションは端的に言えば「新しい成長を創る」こと。昨年4月に社長に就任し、この1年はそのための種まきの時期だったと感じています。
これからの成長ドライバーになっていくのは、さまざまなステークホルダーとの繋がりを強め、その繋がりをもとに体験価値を創出していくことです。昨年誕生した二つのブランド発信拠点、「ヤマハミュージック横浜みなとみらい」と「Yamaha Sound Crossing Shibuya」はその具現化の第一歩。これまで音楽や楽器演奏と接点のなかった多くのお客様にご来場いただき、大きな手応えを感じています。

問2. Change – 変化と対応:

この1-2年において、様々な変化があったものと思われますが、貴社にとっての主な変化とその対応について、お考えをお聞かせください

コロナ禍にステイホームを経験したことで、人々が音楽に求めるものも大きく変化しました。オンラインでの音楽の発信、生成AIの活用によるコンテンツの制作など、どんどん手軽でスピーディな形が生まれています。当社としてもそこに新しい価値を提供していかなければならないと感じています。
社会課題への対応という意味では、現中期経営計画においても「サステナビリティを価値の源泉にしていく」と掲げ、さまざまな活動を行っています。持続可能な木材調達に関する自社基準の制定・運用など、楽器づくりに欠かせない木材を責任あるカタチで使っていく取り組みや、音楽文化のサステナビリティを追求する活動に特に力を入れています。たとえば、音楽教育が行われるための環境が十分ではなく、楽器に触れる機会に恵まれない新興国の子どもたちを対象にしたスクールプロジェクトは、2024年度3月期までに7ヵ国累計302万人の子どもたちに向けて公教育における音楽活動の機会を提供しています。

問3. Challenge – 未来への課題:

今後 (これからの1-2年で)、貴社の事業やブランドにとってどのようなこと(変化)が起きると考えていますか?その変化による課題に対して、どのような準備が必要だとお考えでしょうか

人々の価値観は、所有価値から体験価値へと大きく転換しつつあり、これまで以上にブランドの重要性は高まっています。お客様が心震える瞬間を創出するために寄り添うことを約束した、当社ブランドプロミスの「Make Waves」には一定の認知がありますが、これをもっと広く伝えていきたい。また従来のYamahaのイメージとしては希薄だった「先進性」をさらに強化していきたい。そのためのアクションを次々と打ち出していきます。
質の高いハードウエアの強みはこれまで通り生かしつつ、それをより楽しんでいただくためのサービスやコンテンツ、あるいはコミュニティ作りなども含めたソフトウエアも組み合わせ、体験していただく。そのような挑戦を続けることで、「新しい成長を創る」ための方向性とその先進性が見えてくると考えています。